最速148キロの異色左腕・松田、高校時代はバレー部 名大初のプロ入り目指す「国立の星」

[ 2019年10月12日 08:30 ]

名大初のプロ入りを目指す左腕の松田
Photo By スポニチ

 【17日ドラフト会議 隠れた逸材ファイル(1)名古屋大・松田亘哲投手】プロ志望選手の命運を握る17日のドラフト会議が迫ってきた。大船渡・佐々木朗希投手、星稜・奥川恭伸投手(いずれも3年)らに注目が集まる中、「隠れた逸材ファイル」と題し、指名を待つ選手たちの表情を5回連載で紹介する。第1回は、名古屋大・松田亘哲投手(4年)に迫った。

 異色左腕が、夢の扉を開こうとしている。旧帝大の名大に籍を置く。高校時代はバレーボール部でリベロだった松田は、今秋のリーグ戦で登板した全3試合で1完封を含む完投勝利を挙げた。話題先行ながら、最速148キロの直球はスカウトの目を引きつけ、プロ7球団から調査書が届いている。

 「今はどんな相手でも9イニング投げられる手応えがあります。自分でストライクを取れるようになって、安定したピッチングができるようになりました」

 現在は愛知大学野球3部Bリーグを制し、19日に行われる愛知淑徳大とのプレーオフに向けて調整中。リーグ戦で体重を落としたが、ベストの80キロまで戻した。「そういう変動は織り込み済み。こうなったらこうしようというのがあります」。自ら考えて引き出しを増やしてきたことも、人気アイドルグループ「日向坂46」の渡辺美穂のファンを公言する秀才左腕の武器の一つだ。

 指名があっても下位が濃厚だが、「自分ではどうしようもない部分。呼ばれることを信じて、その先を見据えて何をすべきかということを考えてトレーニングしています」と常に一歩先に視線を向ける。それを実行できる力は、プロの世界で生き抜く上でも必ず強みになる。「どんな結果になっても、4年間で積み上げてきたものは間違ってなかったと思います」。名大からプロ入りすれば史上初。「国立大の星」として走りだす瞬間は、すぐそこまで来ている。(北野 将市)

 ◆松田 亘哲(まつだ・ひろあき)1997年(平9)5月16日生まれ、愛知県岩倉市出身の22歳。小1から岩倉北野球スポーツ少年団で野球を始め、岩倉中時代は小牧JHBC(軟式)に所属。江南ではバレーボール部に所属し県大会出場。名大で硬式野球に初挑戦し、2年秋から主戦。遠投115メートル、50メートル走6秒3。1メートル76、80キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

2019年10月12日のニュース