阪神ガルシア、106日ぶり白星 7死四球も粘投1失点「低めに投球できた」

[ 2019年9月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―1巨人 ( 2019年9月16日    東京D )

初回のピンチを切り抜け、笑顔でベンチに戻るガルシア(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 「忍耐」でもぎ取った白星だ。ガルシアは7四死球と制球に苦しみながら5回1/3、1失点と粘って6月2日以来、106日ぶりの3勝目。心優しき左腕にようやく笑顔が咲いた。

 「先頭に四球を与える機会が多くなったが、併殺を狙いにいって低めに投球できた」

 6回まで毎回走者を背負いながら、1失点でしのぎ「仲間と中継ぎの方に勝ちを頂いた」と頭を下げた。「下を向かずに全力で毎日を過ごすことが大事。続けてきたことが今日の結果になった」。12度の登板を重ねて勝てなかった約3カ月半を象徴するような90球の苦投。日々の姿勢をマウンドで体現し、トンネルを抜けた。矢野監督も「課題は残るけど。球には力が出てきたので、そこは良かった」と及第点を与えた。

 静かにバトンを受け取った。先輩のメッセンジャーが13日に現役引退を表明。「すごく長く活躍された方。お疲れさまと言いたい」。実は1年前から「エース」に認められていた。中日に在籍していた昨年7月、初出場した球宴でお祭り舞台の雰囲気を一掃するように普段と変わらぬ練習量でみっちり体をいじめ抜いていた。

 「オールスターは1年目で選ばれてすごく光栄だったよ。でも、その後すぐにシーズンも始まるから、あの時は後半戦に向けての準備も必要だったし、その意味でトレーニングを継続していたんだ」

 そんな姿を監督推薦で選出されたメッセンジャーに目撃された。自分と重なったのかもしれない。隣にいた球団スタッフに「彼は日本で成功するよ。大丈夫だ」と言ったという。自軍や敵軍に関係なく結果を残せず日本を去っていった数多くの外国人選手を見てきたからこそ確信したのだろう。「自分も長くできるように、彼の背中を見てやっていきたい」。ウイニングボールをぐっと握りしめ、背番号54の“スピリット”の継承を誓った。 (遠藤 礼)

続きを表示

2019年9月17日のニュース