ドラフト会議まで1カ月 絞られてきた1位指名候補

[ 2019年9月17日 09:30 ]

大船渡・佐々木
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 今年もドラフト会議があと1カ月後に迫ってきた。

 現時点の1位指名候補は星稜・奥川、大船渡・佐々木、明大・森下と、3人の右腕にほぼ絞られてきた。

 大船渡の佐々木をどう評価するかで頭を悩ませている球団が多い印象だ。U18ワールドカップでマメを作ったことを懸念する球団はない。「7~8割の力でも155キロが出せる投手なんてそう簡単には出てこない。160キロ以上を投げたら指先にはどうしても大きな負荷がかかる」とスカウトは口を揃える。プロ選手でもマメができる人はできるから、ケアのノウハウがあれば問題ないという見方が圧倒的だ。佐々木自身は地元から甲子園に出るという強い思いで大船渡へ進学。公立校の環境下でもトレーニングや栄養を独学で学ぶなど人一倍熱心なことで知られ、その人間性を評価する声は多く聞かれる。

 逆にこれだけの大物を競合し、引き当てた場合にどうやって育てるのかという綿密な育成方針を組み上げる必要がある。現場とフロントが一体となり、絶対に育て上げなければいけないという莫大な責任が伴うだけに、ギリギリまで見極める球団が多そうだ。

 即戦力が補強ポイントの球団は奥川か森下が1位最有力となる。

 奥川はU18ワールドカップのスーパーラウンド・カナダ戦では甲子園以来初のマウンドながら7回18奪三振の快投で世界を驚かせた。日本は5位も、ベストナインを獲得。2年生から代表入りし、常に世代の先頭を走り続けた。勝負どころへの合わせ方や豊富な経験値を備え、「将来的にプロで15勝できる可能性がある」とスカウトに言わしめる総合力は大学生や社会人を含めた中でもダントツと言っていい。

 一方、明大の森下は即戦力として1年目から確実に勝ち星を挙げられる人材だ。特に秋のリーグ戦では終盤にも150キロ台をマークするなど、スタミナが落ちなくなってきた。大分商時代も志望届を出せば上位指名されると言われた逸材。悩んだ末に大学進学を選択した。下級生の頃は苦しんだが、4年になって一気に積み上げた練習が結実。心身ともに充実した。高校時代は遊撃手も務めたほど高い身体能力を持ち、打力も非凡なセンスがある。1位競合は間違いない状況だ。

 各球団、誰を1位で指名するのか。サプライズの単独指名があるか。今年のドラフトからも目が離せない。(記者コラム・松井 いつき)

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