神がかりならぬ“猪がかり”の明大 亡き島岡御大に導かれた令和初V

[ 2019年5月26日 16:56 ]

東京六大学野球春季リーグ戦第7週第2日 2回戦   明大8―7法大 ( 2019年5月26日    神宮 )

<明大・法大>優勝を決め喜ぶ明大ナイン(撮影・村上 大輔)
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 明大が大逆転で法大を下し5季ぶり、区切りとなる40度目の優勝を決めた。戦前の評価は高くなかったが、初戦の立大1回戦を落としてからの9連勝(1分含む)。一気に令和初の優勝をたぐり寄せた。

 今季は干支が亥(いのしし)、島岡吉郎元監督の没後30年もあって善波達也監督発案で、ユニホーム左袖に島岡監督時代に付けた猪のワッペンを30年ぶりに復活、ストッキングも紫紺に白1本線のスタイルに戻した。

 すると「むむむ?」「あれあれ」という不思議な試合が続出したのだ。4月20日、立大1回戦は8安打を放ちながら田中誠也(4年=大阪桐蔭)に完封を許した。打線が経験不足の不安的中の試合に。エース森下暢仁(4年=大分商)を立てながらの敗戦はいきなり連敗スタートの危機だった。ところが2回戦の3回。2死満塁で北本一樹((同=二松学舎大付)が打つことなく死球を受け1点が入る。続く喜多真吾(同=広陵)の一打は平凡な中飛。「終わった」と思ったところ、中堅手がまさかの落球。2点が転がり込み結局4―3の1点差でものにした。3回戦は森下が1失点完投で勝ち点を挙げた。

 もし落球がなかったら連敗していた立大戦。続く早大戦でも信じられないプレーが起こった。先勝して迎えた2回戦、1点を追う8回だった。簡単に2死となったが北本が安打で出塁、しかし喜多の当たりは詰まった投ゴロ。この時も「終わった」と思った瞬間、早大の投手が捕球できず一、二塁となった。勝つときはこういう流れになるのか。4回に2ランを放った和田慎吾(4年=常総学院)に打席が回り、2―1からの4球目をバックスクリーンへ逆転の2号3ラン。2カード続いての“まさか”でチーム内の雰囲気も「何か変だぞ」とゾクゾクするものを感じていた。

 このゾクゾクは予感だけではなかった。早大戦前から部内にインフルエンザが蔓延。20人以上が隔離され、2本塁打の和田も早大戦後に発症、千葉県内の実家に隔離されるなど大騒ぎとなった。全員がマスク着用。試合の際は神宮球場に明大のマスク軍団がズラリと並ぶ姿は異様でもあった。ただ一週間試合が空いたのが幸いだった。案の定、5月11日の東大1回戦は延長10回の末、サヨナラ勝ち。安打は東大より1本少ない5本。練習不足の影響がモロ出る形となった。森下が10回、20奪三振完封しなかったら東大に痛い1敗も十分にあり得た。

 同18日からは6勝1敗、勝ち点3同士の慶大戦。1回戦は東大戦の貧打がウソのように適時打、犠飛が出て快勝。そして2回戦は究極の「まさか」が展開された。2回に訪れた2死満塁の好機。しかし打席には9番投手の竹田祐(2年=履正社)。打撃がいいとはいえ、この場面では無理かと思った3球目だった。真っすぐ一本に狙いを定め振った打球は風にも乗って左翼席へ満弾となって舞い降りた。安打はこの回の3本だけ。慶大10安打の猛攻も竹田―伊勢大夢(4年=九州学院)のリレーで守り切り4―2で8連勝となった。

 引き分けに終わった法大1回戦、この日も3回までに7点のリードを許す。ところが、コツコツ反撃して終わってみれば記憶にないルーズベルトゲームの8―7の大逆転勝利。ここまで来れば何かに導かれているとしか思えない。思い当たるのは猪のワッペン!「猪突猛進」=「何とかせい!」という島岡御大の“猪パワー”。優勝を決めたあと、善波達也監督が「これです、これです」と左袖の猪ワッペンを触って令和初の優勝は達成された。

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