1―0でどう戦うか 巨人・原監督 “選手が考える”変則紅白戦実施

[ 2018年11月12日 05:30 ]

巨人紅白戦   紅組1―5白組 ( 2018年11月11日    サンマリン宮崎 )

コーチ陣と「原タワー」から紅白戦を見つめる原監督(右)
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 巨人は11日、宮崎秋季キャンプで「原監督流」の特殊な紅白戦を行った。全てのイニングで、攻撃側も守備側も1―0でリードした状況を想定。今季は1点差試合が12勝24敗で、勝率・333は12球団ワーストだった。5年ぶりV奪還には、接戦の強さは不可欠。基本的に首脳陣からはノーサインで、守備陣形や、攻め方を選手自身に決めさせた。

 本塁後方のタワーから見つめる原監督が試合を中断する。6回無死二、三塁。守る紅組の捕手・小林を呼んで助言を加えた。

 「ジャイアンツという中で“まあ1点くらいは”というふうな時も必要」。スコアボードに関係なく、攻守とも1点リードの状況を想定していた。1点もやるまいと前進守備をかけていた紅組の内野陣に、指揮官は待ったをかけたのだ。再び守備に就いた小林がサインを出すと、内野陣は後方の定位置に戻った。

 前進守備の内野手の間を打球が抜ければ、一気に2点を奪われ逆転される。それよりも「1点OK」の守備隊形を指示した。白組・重信の二ゴロの間に1点を奪われた。「1点入って同点になって、なおも1死三塁。その時はチャージでしょうと」と原監督。ここで内野陣は改めて前進する。後続は連続三振で断ち、狙い通りの「1点止まり」に抑えた。

 今季は1点差試合に苦しんだ。12勝24敗の勝率・333は12球団でワースト。平均年齢23・9歳の若いキャンプメンバーに「攻撃側も、守る方もジャッジメントが一番難しい」と言う、「1―0」での戦略を考えさせた。

 白組の攻撃では2回無死一塁から石川が左中間に、5回1死一塁から田中俊が右中間に2ラン。「1点リード」での思い切った打撃に、原監督は「考え方としては間違っていない」と合格点を与えた。エンドランに進塁打、状況に応じた攻撃が求められる。通常はベンチからサインを出すが「今日はあなたたちやってみなさいと。セオリーだけではない部分もある」と自ら考える力を植え付けた。 (神田 佑)

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2018年11月12日のニュース