札幌大谷4強!1年生がけん引 デコボココンビが北海道勢初Vへ導く

[ 2018年11月12日 05:30 ]

明治神宮野球大会第3日・高校の部準々決勝   札幌大谷7―3国士舘 ( 2018年11月11日    神宮 )

<札幌大谷・国士舘>1メートル96の長身から投げ下ろす札幌大谷先発の阿部(撮影・郡司 修)
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 高校、大学の部でそれぞれ準々決勝2試合が行われた。高校の部で初出場の札幌大谷が国士舘を破って4強入り。阿部剣友、増田大貴の1年生コンビら3投手の継投で反撃をかわした。高松商は打線が活発で八戸学院光星を撃破。大学の部では環太平洋大、関西国際大が勝ち進んだ。

 3点を先行した札幌大谷の初回の守り。船尾隆広監督が「一つでも多くアウトを取ってくれたら…」と公式戦初先発に抜てきした背番号18がマウンドに立った。1メートル96、87キロの体格を誇る阿部。驚くことに1年生だ。

 身長はダルビッシュ(カブス)と同じ。右足を高く上げ、左腕を大きく振る。ただ、周囲が感じる圧倒的存在感の一方で、本人は「人生で一番緊張した」とドキドキだった。

 1回戦先発の西原ら投手層は厚い。今秋の北海道では支部予選こそ2試合各1イニングを投げたが、全道大会は登板機会がなかった。四球、バント、内野安打で1死一、三塁。2死後にまた四球を与えて満塁となった。必死で森中を遊ゴロに抑え、無失点。「投手全員でいくつもりだった」という船尾監督に「代えるぞ」と告げられた。

 2回から引き継いだ背番号11、増田も1年生。こちらは1メートル72のノーマルサイズで、派手さはなくても打たせて取った。自己最長の7回2/3を投げ3失点。阿部同様に全道大会出番なしだった右腕は「役に立たなくて悔しかった」と燃えていた。

 阿部の残した衝撃は大きい。ネット裏のスカウト陣からは「大化けする可能性はある。(出場が確実な来春の)甲子園まで楽しみ」と声が漏れた。高校までバスケットボールをプレーした父・貢さん(47)が身長1メートル88あり「遺伝かな」と阿部。今年4月の1メートル94から9月の測定で2センチ伸び、成長は止まらない。この日1キロ更新して134キロとなった最速もまだまだ伸びそうだ。

 豪快と堅実、それぞれの色を持つ両1年生が全国デビュー。05年駒大苫小牧以来の北海道勢の優勝へ弾みがついた。(武本 万里絵)

 ◆阿部 剣友(あべ・けんゆう)2002年(平14)5月17日生まれ、北海道北斗市出身の16歳。小3から野球を始め、大野少年ダイヤでプレー。大野中では軟式野球部に所属し、3年夏の軟式全道大会で4強入りした。好物は焼き肉。1メートル96、87キロ。左投げ左打ち。

 ◆増田 大貴(ますた・だいき)2003年(平15)2月25日生まれ、札幌市出身の15歳。小1から野球を始め、石山フォックスでプレー。常磐中時代は札幌豊平ボーイズに所属。尊敬する投手はソフトバンク・千賀。1メートル72、60キロ。右投げ右打ち。

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