木更津総合 毎回安打で16強 試合前に監督の表彰式 東「絶対に勝ちたかった」

[ 2018年8月16日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第11日2回戦   木更津総合7―0興南 ( 2018年8月15日    甲子園 )

<興南・木更津総合>興南を下し、木更津総合・野尻は笑顔(左)(撮影・平嶋 理子)
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 これが木更津総合の守りだ。初回1死一、二塁。2年生の右翼・太田は安打を捕球する前に二塁走者を見た。

 「三塁ベースから少し出たくらいなのを見て、これはいけるな」。素早くバックホームし、ワンバウンドで捕手のミットに収まる。先制を許さなかった。

 2―0で迎えた5回2死二塁では中堅・東が続いた。二遊間を抜ける打球に猛チャージして捕球すると、勢いよく右腕を振り抜いた。ノーバウンド返球で本塁生還を阻止。「後輩の太田にあれだけいい肩を見せられたら、3年が黙っていられません」と笑った。

 意外にも、東は「遠投は100メートルに届かない」と明かす。ただ「背走は得意」と後方の打球には絶対的な自信を持ち、相手打者が4番でも定位置より4、5歩前で守っていた。返球の距離を縮めることで「カバーできた」とビッグプレーにつなげた。ノックから常に低い送球を意識する練習を重ねた成果を発揮。五島卓道監督も「今日は守り勝ちです。相手のペースを崩した。あの2つのプレーがあって、相手は嫌だったはず」と称えた。

 1番の東は打っても魅せた。5回に左越えソロを放ち「甲子園で拍手をもらうのが、夢で今までやってきた」と喜びを爆発させた。1回戦で敗れた昨夏、1点を追う9回に代打で三振に倒れ、最後の打者になった悔しさを忘れたことはない。走攻守で成長し、同校で13年夏に聖地でプレーした兄・龍弥さんと同じ16強に進んだ。

 試合前には五島監督が育成功労賞の表彰を受け「いい思い出にしてほしかったし、絶対に勝ちたかった」と東。毎回の12安打7得点に完封リレー、そして堅守。快勝劇で偉大な功績に花を添えた。 (町田 利衣)

 〇…エースで4番の野尻は7回1/3を7安打無失点。毎回走者を出しながらも粘り強く投げ「よく振ってくるチームだったが、打たせて取ることができた」と振り返った。打っては5打数1安打に終わり「4番がふがいない中でみんながしっかり打って守備も抑えてくれて助かった。流れを止めてくれた」と感謝した。

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