板東英二氏 レジェンド始球式 マウンド上で選手にエール「悔い残すなよ」

[ 2018年8月16日 08:02 ]

<愛工大名電・報徳学園>始球式を行う板東英二氏(撮影・近藤 大暉)
Photo By スポニチ

 第100回全国高校野球選手権大会第12日は16日、甲子園球場で3回戦が行われ、第1試合の報徳学園(東兵庫)―愛工大名電(西愛知)の試合前、徳島商OBの板東英二氏(78)が「レジェンド始球式」に登板した。

 マウンドに立った板東氏はプレートを確かめるように踏みしめてから、大きく振りかぶってキャッチャーミットめがけて投げ込んだ。始球式の後は「感慨深いものがありました」と感無量の様子。マウンドでは、報徳学園の先発・林に「悔い残すなよ」とエール。「思い出深いのは負けた方ですから。勝った学校以上に学べることがある。人生の大きな糧になります」。

 さらに「昔、報徳の子と慶応のセレクションを受けに行ったんです。彼は野球では滑ったんじゃないかなあ。入試で入ったと言ってましたけど、僕は答案用紙見てないからね」と福島敦彦氏(元報徳学園、慶大監督、本紙大阪本社解説)とのエピソードを披露して、笑顔を浮かべた。

 板東氏は58年夏の甲子園大会に出場。1回戦の秋田商戦で17奪三振をマークすると、続く八女(福岡)戦で15Kを記録した。準々決勝の魚津(富山)戦では延長18回で25三振を奪う快投(1試合最多奪三振=参考記録)を見せる。魚津の村椿輝雄もたった一人で完投し、「板東、村椿の投げ合い」は高校野球ファンの間では語り草になっている。0−0で再試合となると翌日は麻酔を打って試合に臨み、9Kで完投勝利を挙げる。準決勝の作新学院(栃木)戦でも14Kを記録。決勝では柳井(山口)に敗れたが大会通算83Kは現在も破られていない大記録だ。59年に中日入り、69年に引退した。その後は野球解説者、タレント、実業家として活躍している。

 100回大会を記念して行われる「甲子園レジェンド始球式」には、初日の松井秀喜氏(44)を皮切りに夏の甲子園で活躍した18人のレジェンドが毎日登場。20日の準決勝ではPL学園(大阪)で夏2度の優勝を果たした桑田真澄氏(50)と、日米球界で活躍した「大魔神」佐々木主浩氏(50=宮城・東北出身)が登板する。決勝戦では、1969年夏の決勝戦で、延長18回引き分け再試合の死闘を演じた三沢(青森)の太田幸司氏(66)と松山商(愛媛)の井上明氏(67)がダブル登板する。

続きを表示

この記事のフォト

2018年8月16日のニュース