涙なし 興南・藤木、天国の祖父へ報告「エースで1勝できたよ」

[ 2018年8月16日 08:08 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第11日2回戦   興南0―7木更津総合 ( 2018年8月15日    甲子園 )

<興南・木更津総合>5回1死、木更津総合・東に左越えソロ本塁打を浴びた興南・藤木(撮影・坂田 高浩)
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 【メモリアル メモリーズ】涙はなかった。5回途中2失点で降板した興南のエース藤木は「相手打者の力が上だった。大観衆の中でも慌てない投球ができた。後悔はない」とすがすがしい表情を見せた。

 昨年6月の沖縄大会中に、祖父・儀間清孝(ぎま・せいこう)さんを83歳で亡くした。野球ファンだった清孝さんに手を引かれ、プロ野球の春季キャンプやオープン戦を一緒に見に行ったのが、一番の思い出だ。藤本の興南進学が決まると、とても喜んでくれた。

 大会中で最期には立ち会えなかった。同年夏の甲子園に出場。初戦の智弁和歌山戦に4番手で登板も敗れた。「あっという間に負けてしまった。悔しかった」。天国に「今年こそしっかり甲子園で勝つ」と誓い、エースナンバーを背負って帰ってきた甲子園で2試合とも先発を任された。

 今後も野球を続けていくかは迷っている。ただ、これだけは祖父に報告できる。「1勝しかできなかったけど、良い思いできたよ」。甲子園で1勝をつかみ、沖縄に帰る。 (松井 いつき)

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2018年8月16日のニュース