龍谷大平安 100回大会に春夏通算100勝 原田監督男泣き「本当にうれしかった 本当に勝ちたかった」

[ 2018年8月12日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第7日1回戦   龍谷大平安3―2鳥取城北 ( 2018年8月11日    甲子園 )

<龍谷大平安・鳥取城北>龍谷大平安がサヨナラ勝ちで春夏通算100勝目を飾り、校歌斉唱時に涙をぬぐう原田監督(撮影・坂田 高浩)
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 感極まった。校歌も歌えない。58歳。龍谷大平安・原田英彦監督は左手のタオルで何度も涙を拭った。

 「100回大会で100勝は、絶対条件やと思っていました。本当にうれしかった。本当に勝ちたかった」

 初出場した1927年夏初勝利から、中京大中京に続く史上2校目の春夏通算甲子園100勝に到達。就任26年目の指揮官は「命懸け」と言うほどの使命を自らに課した。

 4月、プロ野球記録の2215試合連続出場を成し遂げるなど、広島で活躍した衣笠祥雄さんが71歳で上行結腸がんで亡くなった。64年の春夏甲子園で8強入りした偉大な先輩から、昨年11月の食事会で「来年の夏、頼むぞ」と勝利を託された。その際に記念撮影した写真を、カバンにしのばせて戦った。「帰って報告しに行きます。“良かったなあ”って、笑っておられると思います」。空を見上げ、再び肩を震わせた。

 執念はナインにも伝わった。同点の9回。2死から水谷が四球で出塁。続く安井の2球目に二盗、5球目に三盗をいずれもノーサインで決めた。「(バッテリーに)全く警戒心がなかったので思い切って行った」。そして安井が左翼線へサヨナラ打。「(16年春センバツの)99勝から少し時間がかかったけど、先輩方がつないでくれたおかげ」。8回の左翼守備では頭上を襲った打球をグラブに当てて同点三塁打にしたが、ミスを取り返した。

 夏3度、春1度の優勝を誇るレジェンド校。松田主将も「プレッシャーは正直あった」と認めるが、それを乗り越えた。試合後のアルプスでは「V100」の人文字が浮かんだ。指揮官は一礼した後、恒例となった「おまえたち、最高だぜ!」の決めゼリフを絶叫した。その声に、天国の鉄人も喜んだことだろう。 (石丸 泰士)

 ○…龍谷大平安が鳥取城北に勝ち、中京大中京(132試合目で到達)に続き、通算170試合目で史上2校目の春夏通算100勝(69敗1分け)に到達した。台湾、朝鮮を含む計42地方代表から勝利し、福島、新潟、滋賀、岡山、佐賀、熊本、沖縄の7県には未勝利。学校別では桐生、県岐阜商のそれぞれ3勝が最多。なお、夏は通算60勝となり松山商に並ぶ2位。

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