由伸巨人 執念ドロー 代打に投手・吉川光…桑田以来球団16年ぶり

[ 2018年8月12日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―2広島 ( 2018年8月11日    マツダ )

<広・巨>延長10回無死一塁、代打でバントを決める吉川光(撮影・荻原 浩人)
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 巨人がマツダスタジアムで最後に勝利したのが昨年8月11日。1年間勝てず、引き分けすらなし。悩める陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)が、13連敗中の敵地で執念を見せた。

 頭の中は「何とか塁に出よう」だけだった。1―2の9回2死2ストライク、土壇場も土壇場だ。ボール1球を挟んだ4球目。中崎の外角球を右翼席へ運んだ。同点の7号ソロ。「コンパクトに逆方向にと思った。最高の結果になって良かった」。この後、延長12回まで4時間44分を戦って引き分け、2位を死守した。

 31歳は不振に苦しむ。打率・236でここ10試合でスタメンは3戦。「打てないんだから練習するしかないよ」と横浜スタジアムでの試合前、ジャイアンツ球場に足を運んだ。若手に交じり30分以上打撃マシンで特打。3日からの中日3連戦ではただ一人、試合前練習のアップを外れてベンチ裏で打ち込んだ。

 マイナス思考にもなる。前日の練習中はファンから「陽さん、頑張って」と声援を送られた。昨季、日本ハムから移籍し掲げた目標は「打率3割」。スタンドからの声に「頑張っていないかな。頑張っていないんだな、自分は」と、自問自答してしまうほどだった。

 延長10回無死一塁では、投手の吉川光が代打で犠打を決めた。ベンチに残っていた野手は中井だけ。有事に備えた首脳陣の判断だった。得点にはつながらなかったが球団では02年桑田以来、16年ぶりの投手の代打。執念は見せた。中井も12回に代打に送った高橋監督は「負けなかったということは大きい。もう一押しをしないといけない」と言った。12日を終えると、マツダでの試合は10月4日を残すのみ。変わった風に乗り、「呪縛」を解く。 (神田 佑)

 ▼巨人・吉川光 代打バントなので何とか前に転がしたいと思った。成功して良かった。

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