細川連続完投!明秀学園日立16強導いた 金沢監督「昭和の大エース」

[ 2018年3月28日 05:30 ]

第90回選抜野球大会第5日・2回戦   明秀学園日立10―1高知 ( 2018年3月27日    甲子園 )

<明秀学園日立・高知>完投勝利を挙げた明秀学園日立・細川
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 アクシデントにも、動じない。8回。打席に立った明秀学園日立の細川の腰に白球が直撃した。「大丈夫」。涼しい顔で9回のマウンドに上る。118球目。最後の打者をうち取り、やっと相好を崩した。5安打1失点で2試合連続の完投。大差がついても投げ抜いたのは、エースとしての決意だった。

 「元から最後まで投げるつもりだった。どんどん腕を振って投げられた結果です」

 前半は直球主体、中盤以降は新球・ツーシームが効果的に決まった。兄・成也の所属するDeNA・山崎の決め球を参考にしたもので、カウント球として利用。「直球やスライダーを生かすことができた」とうなずいた。兄からは初戦の瀬戸内(広島)戦後に「もっと楽に投げろ」と激励されたが、その激励通りの冷静な投球だった。

 誰よりも鍛えた。冬の練習では、300メートル走8本を連日課されたが、常に1番でゴールした。体重は6キロ増えて80キロ。ユニホームのサイズは「O」から「XO」に変わった。「一番きつかった」と振り返るのが昨年12月29日の18キロ走。日立市の御岩神社で参拝後に寮まで走った。神社では「全国制覇ができますように」と祈った。

 2試合で計260球を投げた。そんな右腕を「昭和の大エース」と評する金沢成奉監督は「本来の姿。ナイスピッチング」と称えた。茨城県勢の初出場で2勝は81年の日立工以来。次は昨年のセンバツ覇者で、今大会も優勝候補の大阪桐蔭が相手だが、細川は「自分の投球ができれば抑えられる。次も最後までマウンドにいる」と言った。頂点まで腕を振り続ける。(中村 文香)

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2018年3月28日のニュース