メッセ、生涯タテジマ宣言「タイガースでキャリアを終えたい」

[ 2018年3月28日 12:01 ]

阪神でキャリアを終えることを宣言したメッセンジャー
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 開幕投手が決定している阪神のランディ・メッセンジャー投手(36)が27日、スポニチの単独インタビューに応じた。今季中に国内フリーエージェント(FA)権を取得予定だが、虎でキャリアを終えることを宣言し、自らの成功体験を後輩たちに“遺産”として残すことを希望した。

 ――入団後、最速で開幕投手を通達された。

 「どんな時も監督から信頼されているのは、一選手として本当に光栄なこと。その期待に応えたいし、そのマウンドで結果を残すことだけを考えている」

 ――投手陣の中で絶対的な存在であり、開幕投手を争える若手の台頭も乏しい。現状をどう捉えているか。

 「自分がどれほどの成績を残していようと、自分を脅かす存在は常に出てくると思っているから。ただ、一度、若手にポジションを奪われるという恐怖を持つと、自信もなくなっていく。そういう意味で、常に練習し続けることで自分は地位を確立してきた。若い選手にも“レガシー(遺産)”として引き継がれていくのであればとてもうれしい。若い選手には、常に自分のポジションを獲る、とガツガツ来て欲しい部分もあるけどね」

 ――若い選手もキャンプでのハードな練習姿勢に刺激を受けている。

 「沖縄に来ているのも、オフシーズンの鈍った体にキレを出す意味もあるが、開幕に向けて調子を整えていくのが大きな目的。そして、沖縄で作った体を持続するためにトレーニングを続けている。若い選手がそう思ってくれているのは、光栄なことで多くの若い選手に浸透していけばと思っている」

 ――毎年、オフも厳しいトレーニングを課している。精神的にきつくないのか。

 「9カ月も日本にいてアメリカに帰るのと、日本人選手が田舎に帰省するのとは意味合いが違うからね。日本に9カ月もいて、アメリカに戻ることはバカンスと思われるが、ただイスに座ってゆっくりしているのはね…。そういう場にいるからこそ、しっかりやらないといけないと自分を奮い立たせてトレーニングを続けている」

 ――バカンスはしたいのでは。

 「最初の1カ月はゆっくりしている部分もあるが、自宅は広大な敷地ですし、トレーニングする環境も整っているからね」

 ――昨季、満塁での被打率が・000(11打席で9打数0安打)。シーズン通して相手チームの3、4、5番打者の中軸にも被弾はゼロだった(注<1>)。ギアチェンジの秘けつは。

 「満塁であるかに関わらず、状況に応じてしっかり1番から9番に投球していくことが大事だと思っている」

 ――過去8年でシーズンでのリーグ最多投球数が4度もある。肩を酷使しながらも故障に強い。

 「体の力強さ、粘り強さが大事だね。甲子園、室内、家の近くなど環境を変えて走ることをルーティンにしている。1年間、戦う体を作る上ではとにかく走り続けることが大事になってくる」

 ――走ることは苦ではないのか。

 「好きだったというわけではないけど、小さい頃にバスケットボールをやり始めた時に走り続けなければ、コートに居続けられなかったので。それが原点になっている」

 ――気持ちを切り替える時間にもなる。

 「時計の針が12時を刺した瞬間に、次の登板へ向けて集中する。過去のことは過去のこと。登板内容によっては、完全に12時というわけにはいかないが(笑い)。朝起きたら、切り替わっているよ」

 ――昨季、奪三振率9・76はキャリア2番目の高さだった。進化している部分も感じる。

 「最初、中継ぎとして来日して、今、確立している数字はすべて先発の時のもの。投げ続けてきたからこそ、今の成績がある」

 ――今年でFA権を取得する。阪神でキャリアを終えたい気持ちは。

 「もちろんだ。タイガースがなければ、日本に来ることもなかった。こういう機会を与えてくれたチームに恩返しするためにも、チームにとって必要な選手であり続けたいと思う。8、9年 長くやってきた選手でも1チームに在籍し続けた選手はそんなにいない。タイガースで9年目を迎えられたことは光栄だ。タイガースでずっとプレーできているのは名誉ですし、タイガースでキャリアを終えたい気持ちは強いんだ」

 ――刺激をもらえる選手の存在は。

 「そういう選手を数えだしたら、キリがないけど、若い選手が自分をそういう風に思ってくれたらうれしい」

 ――コーチ業に興味は。

 「若い頃だとそう考えていたかもしれないけど、今は家族のそばにいたいと思っている。自分の子どものためにコーチをしたいね。忙しいシーズンを過ごしているので、家族のために時間を使いたい」

 ――今年の目標。

 「優勝するぐらいになれば、自分の投げる回数だったり、成績は付いてくる。チームの優勝、それだけを考えている。ずっと応援し続けてくれているファンに応える活躍をして見せる」

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