日大三・小倉監督 猛タックルに激怒「下手したら死んでしまう」

[ 2017年11月11日 05:30 ]

明治神宮野球大会第1日・高校の部1回戦   日大三6―7日本航空石川 ( 2017年11月10日    神宮 )

<日大三・日本航空石川>9回2死一、二塁、日本航空石川・山岡の右前打で二走・上田(右)が日大三・斉藤に突進。セーフと判定されたが、守備妨害としてアウトに
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 開幕し、高校、大学の部それぞれ2試合が行われた。高校の部では、日大三(東京)の斉藤龍二捕手(2年)が、日本航空石川(北信越)戦の9回守備で本塁に突入した走者から危険なタックルを受けて負傷退場。試合も延長10回に6―7でサヨナラ負けを喫した。高校の部は創成館(九州)、大学の部は創価大(関東5連盟第2)、富士大(東北3連盟)が準々決勝に進んだ。

 温厚な小倉全由監督が鬼の形相でベンチを飛び出した。本塁上で危険なタックルを受け、捕手の斉藤が胸付近を押さえてのたうち回った。

 「あんなプレーは絶対、許さんですよ。完全なアウト。下手したら死んでしまう。徹底してもらわないと」

 小倉監督が指摘するのは、6―6の9回2死一、二塁から右前打で二塁走者・上田が本塁を狙った場面だ。右翼からの好返球でタイミングはアウトだったが、1メートル85、97キロの巨漢で左膝から相手の胸に激突。斉藤は落球し一時はセーフと判定されたが、日大三側の抗議で審判団が協議し、危険なプレーでの守備妨害でアウトが宣告された。

 試合後、斉藤は都内の病院へ救急車で搬送され、「右腕の外傷性打撲で全治2週間」と診断された。大会本部は日本航空石川に注意。日本高野連の竹中雅彦事務局長は「こういう場合は世界的にコリジョンルールが適用される。走路に球が来ただけでブロックではない」と説明した。小倉監督は高校日本代表を率いた12年の18U世界選手権で大阪桐蔭・森(現西武)が米国戦で2度も悪質タックルの犠牲となった。小倉監督の訴えもあり、翌13年にラフプレー禁止のアマチュア野球内規が加わった経緯もある。

 試合はタイブレーク方式の延長10回無死満塁から上田の打席で、交代した1年生捕手・佐藤英が捕逸してサヨナラ負け。「ああいうことを絶対にしたらダメ」。最後まで小倉監督は、勝敗以上に大事なことを訴えていた。 (東尾 洋樹)

 ▽危険防止ルール 13年にアマチュア野球内規が改定され、走者の意図的な体当たりを禁止する「危険防止(ラフプレー禁止)ルール」が加わった。「野手がボールを明らかに保持している場合、走者は(たとえ走路上であっても)野手を避ける、あるいは減速するなどして野手との接触を回避しなければならない」などと定められている。大リーグは15年に衝突(コリジョン)ルールを採用し、16年からプロ野球でも導入された。

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