由伸監督「逃げ切らないと」決断裏目8連敗 3日敗れれば優勝確率0%

[ 2017年6月3日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   巨人5―6オリックス ( 2017年6月2日    東京ドーム )

<巨・オ>延長11回、亀井が右飛に倒れ8連敗。暗い表情で引き揚げる高橋監督
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 巨人は2日、オリックスに延長11回の末に敗れ、2006年以来11年ぶりの8連敗を喫した。打線強化のため、ルイス・クルーズ内野手(33)が今季初昇格。外国人枠からはじき出される形で、守護神のアルキメデス・カミネロ投手(29)が出場選手登録を外れた。しかし、新守護神のスコット・マシソン投手(33)が9回に3点リードを守れず、逆転負けを喫した。

 連敗脱出まであと1アウトだった。4―1の9回2死。勝利を確信した巨人ファンのボルテージが上がる。ところが、マシソンが代打・ロメロに特大ソロを被弾。さらに3連打を許し、同点に追いつかれた。延長11回には今村が安達に勝ち越しソロを被弾。高橋監督は「現時点で最後を託す投手は彼しかいない。一番抑えられる投手がマシソンなので逃げ切らないといけない」と険しい表情で今季チーム最長の4時間37分の試合を振り返った。

 連敗脱出へ、手は打った。打線に厚みを出すため2軍からイースタン・リーグトップの8本塁打を放っていたクルーズを今季初昇格させ、守護神カミネロと入れ替えた。「(連敗脱出へ)カードを切ったということ」と堤辰佳GM。しかし、8回2死一塁から投入した新守護神のマシソンがリードを守れず「2死からの失投が悪い結果につながってしまった」と唇をかんだ。

 13セーブで防御率1・96を誇るカミネロの出場選手登録を抹消する大胆な策だったが、皮肉にも救援失敗。村田ヘッドコーチは「最後のバトンに入ったんだけど」と嘆いた。打線では5番で起用したクルーズは5打数無安打だったが、2年ぶりの1番に座った坂本勇が3安打。4番の村田は7回に2戦連発で一時逆転の2ランを放った。11回には長野のソロで1点差に迫るなど機能しただけに、指揮官は「必死に何とか流れを変えようというかね。負けているところで必死にやってくれている」と悔やんだ。

 観戦した老川祥一オーナーは「プロ野球はファンで成り立っている。ファンの目を一人一人が意識してもらわないと」と奮起を求めた。高橋監督も「遅くなっても応援してくれる人がたくさんいた。期待に応えないといけない」。1日で計8選手の入れ替えを敢行したが、11年ぶりの8連敗。借金は5に膨らんだ。全員で、1勝をつかみにいくしかない。 (川島 毅洋)

 ≪3日負ければ優勝確率0%≫巨人は5月25日阪神戦から8連敗。巨人の最多連敗は75年の11連敗だが、8連敗以上は06年7月に9連敗して以来11年ぶり9度目になる。過去、8連敗を喫したシーズンで優勝したのは94年だけ。9連敗以上になると前記75年を含め3シーズンで4度あって全て優勝を逃している。交流戦は初戦から4連敗となったが、うち3試合が逆転負け。昨年の交流戦でも巨人は両リーグ最多の逆転負け6試合と2年続けて粘り切れない。なお、交流戦開幕からの最多連敗は10年ヤクルトの9連敗。5連敗は08年横浜、11年ロッテ、12年阪神とあり5連敗以上の4チームは最終順位がオールBクラス。巨人は脱出できるか。

 ☆06年の巨人 原辰徳監督が3年ぶりに復帰。4月は8連勝するなど首位で交流戦を迎えたが、6月6〜14日に8連敗、18〜30日に10連敗、7月4〜14日に9連敗と大失速。後半戦も勢いは戻らず65勝79敗2分け、勝率・451。首位・中日と23・5ゲーム差の4位で球団史上初の2年連続Bクラスに終わった。

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