阪神・岩貞 鬼門・初回切り抜け7回途中1失点「気持ち込めて必死で」

[ 2017年6月3日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   阪神2―4日本ハム ( 2017年6月2日    甲子園 )

<神・日>日本ハム打線相手に7回途中1失点と力投した岩貞
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 阪神・岩貞は肩を落としてベンチに帰ってきたドリスの背中ををポンとたたいて元気づけた。復活の3勝目は幻と消えても確かな手応えは残った。6回1/3を3安打1失点。2軍再調整を経てのマウンドで力投を見せた。

 「とにかくしっかりゲームをつくれるように、気持ちを込めて必死で投げました。内容としては今後に継続できるものはあったと思いますが、7回を投げ切れていないので。あとアウト2つは取りたかった」

 個人の白星よりもチームの敗戦が悔しい。14日ぶりの1軍登板を淡々と振り返り、表情は一切緩まなかった。

 この試合にかける気迫をマウンドで腕を振る姿に充満させ、最大の課題の立ち上がりを乗り切った。過去6度の先発登板のうち初回失点は5度。2軍降格につながった要因だった。同じ失敗を繰り返すまいと最初の打者からエンジンをフル回転。先頭の西川を5球目のスライダーで空振り三振。続く杉谷はチェンジアップでバットに空を切らせた。近藤は歩かせても中田を右飛に仕留め、無安打無失点で発進した。

 10日間の2軍生活を無駄にしなかった。普段はなかなか話を聞けない2軍の投手コーチ陣にも現状を打破する助言をもらった。

 「久保さんや高橋建さんから“中継ぎで1イニング、1イニング行くつもりで行け”と言われた。おかげで、気にせずに入れた」

 先頭打者だった5回は自ら中前打を放ち、高山の右中間二塁打で一塁から激走して生還。4割打者の近藤を無安打に抑えるなど投げて、打って、走って躍動した。金本監督も「抹消期間を有意義な意味のあるものにしてくれて。次もメドが立ったように思う」と高評価だ。痛恨の逆転負けの中で、大きな収穫となった。(山添 晴治)

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