金本監督「コメントしようがない」…藤浪 暗転7回“負の連鎖”

[ 2016年8月12日 05:30 ]

<広・神>7回、藤浪はまずい守備で逆転を許し肩を落とす

セ・リーグ 阪神―広島

(8月11日 マツダ)
 悪夢のようだった。阪神は11日の広島戦(マツダ)で、3―1とリードしていた7回、それまで2安打1失点と好投していた藤浪晋太郎投手(22)の一塁悪送球、ゴメスの本塁悪送球と守乱が重なる自滅で逆転負け。広島戦は屈辱の5カード連続負け越し、藤浪は痛すぎる8敗目(5勝)となった。長期ロード中のチームは12日に一度帰阪。京セラドーム大阪で迎え撃つ中日3連戦で、負の連鎖を断ち切りたい。

 脳裏をよぎった勝利が焦りを生んだのか。藤浪にとって悔やみきれない7回だ。6回まで2安打1失点の快勝ムードをみずから手放した。

 「ボール自体は良かったし、内容も良かった。それだけに勝ちたいと思っていたんですが、自分のつまらないミスで負けてしまって…。本当に申し訳ないです」

 大きすぎる落とし穴にはまった。無死一、二塁。「芝の上というのはもちろん頭にあったんですが、焦ってしまった」。会沢の投前バント処理に手間取り、一塁送球はベースカバーに入った北條のはるか上を行く悪送球。ボールが外野まで転々とする間に走者一人を返してしまった。

 狂った歯車は戻せない。その後、1死二、三塁で、今度はゴメスに負の流れが波及。田中の一ゴロをバランスを崩して本塁に悪送球。走者2人が生還して逆転されると、なおも1死一、三塁から丸に中犠飛を許し、この回一挙4点を奪われた。

 広島打倒を託されて、今季2度目となる中5日の登板間隔で上がったマウンドで、自滅の7回5失点(自責1)。自己ワーストタイの8敗目を喫した。金本監督からも「コメントしようがないわね…。(藤浪は)(守備は)苦手じゃないんだから。投内連係とかスローとかも。キャンプからずっと意識持ってやらないと。普段の練習から。実戦を想定してのね」と厳しく指摘された。

 前回登板の5日ヤクルト戦(神宮)では7回2安打無失点の好投で64日ぶり勝利となる今季5勝目を挙げた。勢いに乗って連勝を狙った一戦だっただけに…。「自分のミスなので、もったいなかった」。ほとんど打たれていないだけに、悔みきれない夜になった。
 (湯澤 涼)

 ▼阪神・香田投手コーチ (藤浪について6回までは)良かったとは思う。バランス、タイミングも良くなっている。本人も手応えを感じているんじゃないか。(7回の一塁悪送球は)苦手な部分だけどね。彼は総合力が課題だと思う。

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2016年8月12日のニュース