西武ドラ1多和田 新人完封一番乗り!76年ぶり屈辱の地でリベンジ

[ 2016年8月12日 05:30 ]

<日・西>日本ハム相手に3安打プロ初完封の多和田

パ・リーグ 西武2―0日本ハム

(8月11日 札幌D)
 西武・多和田は大谷に対し、こん身の力で121球目を投げ込んだ。2―0の9回2死一塁、低めに沈んだ138キロのフォークを一塁線にはじき返されたが、メヒアがダイビングキャッチして、そのまま一塁ベースにタッチ。3安打に抑え、プロ初完投を両リーグルーキー一番乗りの完封で飾った。

 「悔しい思い出が頭にあったので、絶対にここでいい投球をする」と誓い、札幌ドームのマウンドに上がった。5月14日の初登板。1回0/3でKOされ、デビュー戦での3者連続押し出しは76年ぶりという屈辱を味わった。さらに前回4日のソフトバンク戦(西武プリンス)では7四球と制球を乱し、4回0/3で5失点。「四球は何も残らない。どうせなら打たれた方がいい。持ち味の直球で押していこうと決めていた」と開き直った。

 多和田の攻める気持ちが顕著に出たのが、大谷との対戦だった。徹底した内角攻め。初回1死二塁では、大谷を何度ものけぞらせた。最後は内角の147キロ直球で見逃し三振。「体も大きくてスイングも速い。いい打者なので、(内を)突っ込まないと抑えられない。外角は踏み込んでやられる」。この試合、大谷に投じた全12球のうち外角球は1球もなく、4打数無安打に封じ込めた。

 8三振を奪い、課題の四球はわずか1個。プロ初黒星を喫した地で見事にリベンジし、チームを15カードぶりの勝ち越しに導いた。即戦力ルーキーとしてドラフト1位で入団したが、ここまで3勝5敗は決して満足できる成績ではない。「完封できたことを自信にして、これからもやっていきたい」。沖縄出身のレオの「新18番」が北海道で挙げた勝利は、ただの1勝ではない。(重光 晋太郎)

 ▼西武・秋山(5回1死二、三塁で決勝の中越え2点適時二塁打)多和田がいい投球をしていたので、何とかしたかった。狙った球(フォーク)を一発で仕留めることができた。

 ≪11年牧田以来≫多和田(西)が今季新人では初の完封勝利。チームで新人の完封勝利は昨年の高橋光以来だが、両リーグ一番乗りで記録するのは11年5月6日楽天戦の牧田以来だ。なお、最近の西武では99年松坂、07年岸もルーキー完封一番乗りを果たしている。

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