“懲罰161球”から復肩!藤浪2回無安打投球で後半戦へ弾み

[ 2016年7月16日 07:10 ]

<全パ・全セ>セリーグ2番手で登板した藤浪

マツダオールスターゲーム2016第1戦 全セ5―4全パ

(7月15日 ヤフオクドーム)
 あの“懲罰登板”から中6日。藤浪は3回から2番手でマウンドへ上がった。「(肩の)張りは少しだけなので大丈夫です」。昨年の第1戦(東京ドーム)で3回パーフェクトの快投を演じ、MVPを獲得した右腕。今年もその夢舞台で、1四球を与えながら2回ノーヒット投球を展開した。

 「ゼロに抑えられてよかった。(大阪桐蔭の先輩との対戦は)ちょっと力みましたね」

 試合前から「浅村さんとか中田さんとか大阪桐蔭の先輩を、しっかり抑えたい」と話して待望していた対決が、いきなり実現した。先頭の浅村に対し、初球からエンジン全開。150キロ直球でファウルを奪うと、153キロ直球で右飛に仕留めて発進した。続く炭谷、今宮も150キロ超の直球で手玉に取り、1イニングを4球で投げ終えた。

 「2アウトでしたし、いいかなと思って直球勝負しました」

 続く4回は先頭の秋山にストレートの四球。制球難がチラリ顔をのぞかせたが、乱れない。2死までこぎ着けると、もう一人の先輩と対峙(たいじ)した。中田とオール直球勝負。フルカウントから投じた150キロ直球で捕邪飛に料理し、役割を果たした。

 一流に学んだ。試合前練習中には、およそ10分間にわたってヤクルトの主砲・山田と言葉を交わした。打者心理を取材…していたわけではない。「どうやってヒットを打っているんですか?」。なんと打撃の極意を聞き出していた。そして「タイミングの取り方」という返答を得た。「マネできないですが、一流の感覚がどんなものか聞いてみたかった」と球宴ならではの収穫を手にした。

 前半戦最終登板だった8日の広島戦(甲子園)では161球を投じるまで降板を許されず、8回8失点と炎上。その“懲罰”を科した金本監督はベンチから藤浪の投球を見守り、「日々、勉強。まだ大学4年生の年齢だから」と若さに配慮しつつ、行間に期待感を漂わせた。今季ここまで15試合4勝5敗、防御率3・46の藤浪は「(流れを)変えたいですし、変えないといけない」と決意新た。「お祭り男」らしく、球宴で再びの快投。気分転換を挟み、真価を問われる後半戦に臨む。(惟任 貴信)

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2016年7月16日のニュース