高山 初安打&初盗塁で岡田超え!猛虎初快挙「楽しかった」

[ 2016年7月16日 08:10 ]

<全パ・全セ>5回1死、二盗を決める高山

マツダオールスターゲーム2016第1戦 全セ5―4全パ

(7月15日 ヤフオクドーム)
 「マツダオールスターゲーム2016」は15日、ヤフオクドームで第1戦があり、阪神のドラフト1位・高山俊外野手(23)はフル出場し球団新人としては史上初となる球宴初戦で初安打&初盗塁を記録した。試合は、全セが5―4で全パに勝ち、通算成績を78勝80敗10分けとした。16日の第2戦は横浜スタジアムで行われる。

 新人で唯一、ファン投票で選出された高山が御礼とは言い過ぎだが、晴れ舞台で猛虎の歴史に名を刻んだ。「8番・右翼」で先発し初安打&初盗塁をマーク。試合後も開口一番、「いや~楽しかったですね」と至高の時間を満喫した。

 「もう少し奇麗なヒットが良かったですけど、全力プレーをしたいと言っていたオールスター。そういう意味では良いヒットだったかなと思う」

 2打席目での球宴初安打を充実顔で思い返した。5回1死から楽天・則本の初球146キロ外角直球を叩いた打球は高く弾んで則本の頭上を越えた。遊撃手・今宮が何とか捕球し一塁へ送球したが、高山の足が一瞬早くベースに到達。「とりあえず小さく1本打ちたい。1本目がないと、2本目もないので」と試合前に掲げた『公約』を実現した。則本は5月31日の交流戦で3打数無安打に抑えられた相手。かねてから「結果が出せなかった投手から結果を出せれば自信になる」と話しており、夢舞台でリベンジを果たした。

 「お祭り」だけに物足りないのは本人も分かっていたはず。次打者・中村のカウント2ボール2ストライクからの7球目に二盗に成功し「思い切って行って良かったです」と胸を張った。

 球団新人が球宴デビュー戦で安打するのは1980年岡田彰布以来、36年ぶり。盗塁も同年岡田が3戦目に二盗を記録して以来だったが、安打と盗塁をデビュー戦で同時達成するのは猛虎初で「岡田超え」も果たした。

 試合前練習でヤクルト・山田と談笑。中でも互いの打撃論には花が咲いた。「言われたのは『高山も同じでしょ。直球のタイミングに合わせて、ボールにグッと入っていく感じ。同じでしょ?』と」。昨季はトリプルスリーを達成し今季も打率、本塁打、打点部門などでトップを走る球界屈指の好打者と共感する部分があった。

 「最後まで試合に出させてもらって流れもわかった。試合時間も短かったけど、本当にあっという間に終わった。それだけ自分のためになることが多いからだと思う。(球宴は)今でも不思議な感じ」

 両軍合わせ5本のアーチが飛び交う空中戦の中では地味な内容だったかもしれない。それでも、フル出場で計り知れない経験値を積んだ150分だったはず。前半戦ラスト2試合で8打数5安打と復調気配を見せ、球宴でも快記録。後半戦のさらなる上昇に向け、確かな手応えをつかんだに違いない。(久林 幸平)

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2016年7月16日のニュース