お祭り男だ坂本4度目敢闘選手賞弾 狙い通りの一発

[ 2016年7月16日 05:30 ]

<全パ・全セ>4回2死、先制ソロを放つ坂本

マツダオールスターゲーム2016第1戦 全セ5―4全パ

(7月15日 ヤフオクドーム)
 息をのむ投手戦を切り裂いた。全セの3番・坂本(巨人)の豪快な一発。空中戦の号砲にヤフオクドームは一気に沸き上がった。

 「甘い球が来たら打とうと思った。一本打てて良かった。いい雰囲気で楽しみながらできた」

 これぞ夢舞台。シーズンとは違う坂本のフルスイングだ。両軍無安打の4回2死。石川(ロッテ)の143キロ直球にバットを振り切った。お祭りムードでも冷静。3ボール1ストライクに「ストライクを取りにくると思った」と狙っていた。リオ五輪開催国のブラジルカラーの革手袋とリストバンクを装着し、それに負けないド派手なアーチをセ・リーグのファンが待ち受ける左翼席中段に運んだ。

 プロ10年目で8度目の球宴出場。過去3度、敢闘選手賞を獲得した。「3回、敢闘賞は獲っている。(MVPの条件は)ホームランですね。頑張ります。フルスイングします!」と今回はMVPを狙っていた。有言実行とはいかなかったが、4度目の敢闘選手賞だ。

 試合前には先発で同僚の菅野に声をかけた。「変化球は投げるの?」。「投げます」と返答した右腕に対し「ちっちゃいなぁー」といじった。直球主体を宣言していた菅野の心にさらに火をつけ、球宴を盛り上げた。

 打者としてライバルであり、MVPを譲った筒香(DeNA)は打撃論を交わす仲だ。5月18日のDeNA戦(福島)。先に練習を終えた坂本は、筒香の打撃練習に合わせてロッカールームからバットを手に再登場。打ち終えた筒香に声を掛け、インパクト時の捉え方について5分ほど話し込んだこともある。この日は味方同士、本塁打で競演した。

 全セのコーチを務めた巨人・高橋監督も「良かったよね」と目を細める活躍ぶり。セ界のお祭り男は今年も健在だった。(川手 達矢)

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2016年7月16日のニュース