入社1年目、三菱日立PS横浜の大野 王者食った!

[ 2016年7月16日 05:30 ]

<三菱日立パワーシステムズ横浜・日本生命>三菱日立パワーシステムズ先発の大野

第87回都市対抗野球大会1回戦 三菱日立パワーシステムズ横浜4―0日本生命

(7月15日 東京D)
 開会式に続いて行われた1回戦では、2年ぶり8度目出場の三菱日立パワーシステムズ横浜(横浜市)が、連覇を狙った日本生命(大阪市)を4―0で下した。ルーキー右腕の大野亨輔投手(22)が、7回1/3を5安打無失点に抑える好投。昨年、都市対抗と日本選手権の2冠に輝いた強豪相手に金星を挙げた。大会は12日間にわたり行われる。

 1メートル72の小柄な右腕が、番狂わせの主役となった。2回。2四球などで招いた1死満塁で、大野はマウンドに来た高安健至監督の言葉に大きくうなずいた。「丁寧になりすぎだ。強気に、もっと大胆に攻めろ!」。8番・古川、9番・岩下を140キロ直球で連続空振り三振。スタンドをどよめかせた。

 「緊張は全然しなかった。走者を出しても気にしない。逆に燃えるんです」。4回は失策で、5~8回は4イニング連続で先頭打者に安打を許した。それでもホームは踏ませない。最速141キロの直球にチェンジアップ、カットボール…。相手が前回王者でも「同じ社会人。力の差はない」と自らに言い聞かせた。マウンド上では「表情に出ると弱いところを突かれる」と、淡々と投げ続けた。8回1死二塁で降板も、5安打無失点の快投。鈴木―斎藤のリレーで逃げ切ると、ベンチでようやく笑顔を見せた。

 専大で昨春のリーグ優勝に貢献。それでも「自分は球速(自己最速144キロ)が足りないし、今のままでは通用しない」と、社会人でレベルアップしてプロを目標にする道を選んだ。憧れは母校の大先輩・黒田(広島)だ。「男気、投球スタイル、挑戦し続ける姿…。尊敬しています」。いつの日かプロの世界で黒田に会うのが大きな夢でもある。

 新人に大舞台の初戦を任せた高安監督は「期待通りの投球。彼はどんな試合でもコンスタントに自分の力を出してくれる」と称えた。強心臓の22歳が、波乱の幕開けを運んできた。(鈴木 勝巳)

 ◆大野 亨輔(おおの・きょうすけ)1993年(平5)11月21日、石川県生まれの22歳。小2で野球を始めて投手と内野手。中学までは軟式でプレー。星稜で甲子園出場はなく、3年夏の石川大会ベスト4が最高。専大では昨年春の東都大学野球リーグで4勝(1敗)を挙げて26年ぶりの優勝に貢献した。1メートル72、75キロ。右投げ左打ち。

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