21歳と思えぬ大谷の“大人力” 中田にリクエストした“ご褒美”とは

[ 2015年10月31日 08:30 ]

練習中、笑顔を見せる日本ハム・大谷

 日本ハム・大谷の二刀流3年目は投手として大きく飛躍を遂げたシーズンだった。自己最多の15勝、防御率2・24、勝率・750で投手部門3冠を獲得。クライマックスシリーズ・ファーストステージでは投打で振るわず敗退したが、「日本一」という目標はより明確になったはずだ。

 今季の大谷を見ていると、とても21歳とは思えない「視野の広さ」と「気遣い」を感じることが多かった。全体ウオーミングアップでは各自にストレッチ用のマットが敷かれるが、大谷は使用中のマットがあると分かると、それを絶対に踏み歩かない。エレベーターで先輩より先に降りる際には、必ず「すみません」と一言添え、軽くお辞儀をしてから降りるという。

 その「先輩」の一人だった木田優夫GM補佐は「“普通の21歳”より周りがよく見えている」と感心する。何げない気遣いだが「風向き、点差、状況を考えた投球全体にも、その視野の広さが必ず生きている」とも言った。試合の流れを読む大人の投球は一朝一夕にできるものではない。普段の何げない生活が、順調な成長の背景にある。

 11月8日に開幕する「プレミア12」へ向けた千葉・鎌ケ谷での秋季練習中、報道陣を驚かせたことがあった。主砲・中田とシーズン前に約束した「今季15勝」を達成し、ご褒美として「万年筆」をもらうことを明かしたのだ。すでに中田には注文済みで「書くということが減っている。きちんとしたものがあれば、そういう気持ちになれる」。21歳のプロ野球選手らしからぬリクエストに興味をそそられた。

 岩手・花巻東時代。毎日の練習後に反省や目標を記す「練習日誌」が課されたことで、大谷にとって書くことは習慣の一つになった。目標をより明確にし、実現性を高めることが狙いだった。大谷はプロ入り後も日記をつけ、趣味の読書では、大事な箇所を手帳にメモして「二度読み」する。小説や自己啓発本などジャンルはさまざまで「無駄なところを省きたい。2回読んでやっと分かることがある」。読んで、書いて、読む。そうして自分の成長の糧にしているのだ。

 「1年の中で今、一番時間がある。もう一回リセットして頑張りたい」。心はすでに4年目の来季へ向いている。アマチュア時代を通じて自身初めての日本一、そして世界一へ。グラウンドを離れても、大谷の向上心が尽きることはない。(柳原 直之)

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