【川崎宗則チェストーーク】初のプレーオフ 全部日本語でみんなにカツ

[ 2015年10月31日 10:30 ]

米4年目のシーズンも終了。本拠ロジャース・センターをバックにポーズをとる川崎

 ブルージェイズ・川崎宗則内野手(34)の米4年目のシーズンが終わった。チームは23日にリーグ優勝決定シリーズで敗退し、ワールドシリーズにはあと一歩届かず。川崎は登録メンバーから外れたが、ベンチではムードメーカーとして盛り上げた。開幕から月1回掲載してきた大好評企画「チェストーーク」も最終回。初体験のプレーオフ、そして注目の去就について語った。

 今年は文字通りの激動のシーズンだった。米国に来て4年目で、間違いなく一番忙しかった。でもその分、ベースボールというものを最高に楽しめたので、充実した1年でもあった。

 メジャーのプレーオフも初めて経験できた。僕の中で思い出に残っているのは、テキサスでのレンジャーズとの地区シリーズ第3戦。ホームで2連敗して後がない状況の試合前、選手ミーティングがあった。バティスタ、エンカーナシオンの主力2人のスピーチが終わると、バティスタが「カワ、最後はおまえが締めろ!」って、まさかの指名。第2戦で審判のストライクゾーンなどが物議を醸していたこともあったので、こう言った。

 審判に文句なんて言ってないで、きょうから3つ勝てばいいだけだ!このチームはそれができるんだ!シーズン中もずっとそれをやってきたんだから、ガタガタ言わずに3つ勝たんかいっ!LET’S GO!

 指を3本立ててチェスト流のカツを入れた。もちろん、全部日本語で、英語は最後の「LET’S GO!」だけ(笑い)。メジャーの大男たちが、訳の分からない言葉で気合を入れられるのなんて、おそらく初めてだろうけど、みんなちゃんと目を見て真剣に聞いてくれた。終わった後、エンカーナシオンが寄ってきて、目をパチパチさせてひと言。「カワ、言葉は分からないけど、おまえの言いたいことは伝わったぞ」。そこから3連勝で、地区シリーズ突破!それこそが、まさに僕の知るブルージェイズというチームの底力だ。

 僕のプレーオフ中のラッキーアイテムは、トマトラーメン。トロント市内においしいお店があって、ナイターの時はランチに食べて、デーゲームの日は前日のディナーに食べる。それを食べると、不思議とチームが勝ち続けた。現役選手が毎日ラーメンなんてとんでもないけど、トマトなら体にもいいしね。負けてしまったロイヤルズとのリーグ優勝決定シリーズ第6戦は敵地カンザスシティーだったので、残念ながら験担ぎができなかった。もしその日も食べていたら、今頃ワールドシリーズだったかもしれないね。

 長いシーズンが終わり、今年も毎年恒例の無職の身になりました。2月の常夏フロリダのキャンプから、トロントで初雪を観測した10月まで毎日ボールを追っかけて、走り回って野球やってきた。しばらくは家族とゆっくりしたいし、させてくださいな!(笑い)

 来季は日本か米国か…。今の心境は、得意の50/50かな。もちろん、オファーをもらってから初めて僕にもチョイスが生まれるわけで、そもそも雇われる身として、初めからそんな偉そうなことも言えません。米国では最高の仲間に恵まれて、本当に毎日楽しんで野球をやれている。僕にとって、こんな幸せな環境はない。バイソンズ(傘下3A)にいた期間も最高だったし、ブルージェイズの仲間も大好き。みんなぶっ飛んだ野球バカたちが集まって、お互いの感情がぶつかり合うこともしばしば。でもそんなヤツらが結束した時ほど、怖いものはない。ドナルドソンが叫んで、バティスタがうなって、マーティンがにらみつける。ブルージェイズは、そんな熱い男たちの最高の集団。こんな仲間と野球ができたことは一生の誇りです。

 では、みなさんまた会いましょう!チェスト!=終わり=

 ▽チェスト 川崎の出身地である鹿児島の方言で「よし、やるぞ」という心意気などを示す言葉。語源は薩摩示源流剣術の掛け声など諸説ある。

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2015年10月31日のニュース