ジョンソン史上初!初登板準完全 日本人祖母に持つメジャー0勝腕

[ 2015年3月29日 06:05 ]

<広・ヤ>婚約者のカーリンさん(左)から祝福のキスを受けるジョンソン

セ・リーグ 広島1-0ヤクルト

(3月28日 マツダ)
 惜しい。あまりにも惜しかった。力なく上がった打球が、無情にも右翼ライン際にポトリと落ちる。7回無死。その行方を見届けた広島・ジョンソンは、ガックリと膝に両手をついた。スタンドは悲鳴とため息が交錯する。山田に許した右線安打。この日唯一の被安打だった。

 「(記録を)気にしない方がおかしい。ちょっとの差で安打になってしまった」。完全試合。意識していただけに悔しかった。6回まで打者18人をパーフェクト。山田の安打後も、3イニングを9人で料理した。わずか105球での初登板初完封。それも走者1人の打者28人で片付ける準完全試合だ。試合後は「正直、ヒットが1本出たことで肩の荷が下りたよ」と本音もチラリ。大記録はならなかったが、1安打完封は広島では01年の黒田以来の快挙だ。

 1メートル93、93キロの左腕は初回から最速148キロの直球にカットボール、大小2種類のカーブ、チェンジアップで緩急をつけ、ヤクルト打線に的を絞らせない。メジャーでは通算7試合で0勝3敗と実績はほとんどなく、意外にも「プロのキャリアで9回を投げて無四球は初めて」だった。自身のルーツでもある日本での初登板を最高の形で飾った。

 「僕の中には日本の血が入っている。その意識はある」。父方の祖母、米カリフォルニア在住のイイジマ・ミツイさんが日本人。幼い頃には日本土産に「サムライ人形」をもらった。かねて日本でのプレーを熱望。夢がかなった今は異国での生活を満喫している。今月上旬に婚約者のカーリン・コマーさんが来日。「彼女とさまざまなことにチャレンジしているんだ」。回転ずしを体験。電車で世界遺産の厳島神社を訪れたりもしている。

 「ストライクを先行させて、早い展開で試合を進めようと思っていた。その通りになったので、早く家に帰って夕ご飯を食べます」。試合時間133分での衝撃デビュー。大いに悔しがり、大いに喜んだ一日が終わり、試合後は婚約者と熱いキスを交わし、おいしい夕食が待つ自宅へと帰っていった。

 ≪初登板で準完全は初≫来日初登板のジョンソン(広)が被安打1の無四死球完封勝利。初登板初完封勝利は08年大場(ソ)以来史上29人目(セ10人目)。広島では95年チェコに次ぎ2人目で、外国人では97年ギブンス(西)以来3人目になった。また、無四死球で達成したのは前記大場以来5人目、1安打以下は36年藤村(タイガース=1安打)、87年近藤(中=無安打)に次ぎ3人目の快記録だ。なお、この日は許した走者が7回の山田(右翼線安打)だけ。許した走者が1人だけの準完全試合は、昨年8月15日ロッテ戦の則本(楽)以来45人目(48度目)だが、初登板で記録したのはジョンソンが初めて。

 ◆クリス・ジョンソン 1984年10月14日、米カリフォルニア州生まれの30歳。ウィチタ州立大から06年ドラフト1巡目(全体40位)でレッドソックス入団。13年8月にパイレーツでメジャーデビューし、昨季はツインズに所属した。メジャー通算成績は7試合で0勝3敗、防御率5.32。1メートル93、93キロ。左投げ左打ち。

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