健大高崎 90キロ巨漢“鈍足くん”が機動破壊 好判断で決勝ホーム

[ 2015年3月29日 05:30 ]

<健大高崎・天理>7回1死二、三塁、佐藤の一ゴロで三塁走者・柴引が勝ち越しの生還。捕手・堤田

第87回センバツ高校野球第8日・2回戦 高崎健康福祉大高崎3―1天理

(3月28日 甲子園)
 盗塁だけが「機動破壊」ではない。高崎健康福祉大高崎に決勝点をもたらしたのは、チーム一の鈍足選手だった。1―1の7回1死二、三塁。佐藤の一ゴロに、三塁走者の柴引は、本塁を狙うそぶりを見せながら一度は自重した。だが、一塁手の坂口がベースカバーに入った二塁手にトスする際に背中を向けた瞬間に、90キロの巨体を揺らし本塁に頭から突っ込んだ。

 「どうしても1点欲しかった。アウトになったら仕方ない。走らなければ怒られる。走塁で貢献したのは初めて」

 高校通算20本塁打の4番打者は、50メートル走7秒6。普段の走塁練習にはほとんど参加しない。だが、チームは冬の間も走者をつけた打球判断の練習を繰り返しており、自然と観察力は身についていた。さらに坂口の送球が不安定との情報も入っていた。「試合前のキャッチボールで送球がおかしいと思った。だから迷わずいけた」。わずかなスキを見逃さなかった。

 試合後、昨秋公式戦でチームトップ8盗塁をマークした俊足の林に拍手で褒められ「あいつはバカにしてるんです」と照れた。この試合、チームの盗塁は0。2季連続の8強に青柳博文監督は「練習通り。足が速くなくても機動力は使える」と称えた。12年春以来の4強へ、機動破壊は健在だ。

 ▼高崎健康福祉大高崎・川井(1失点で2試合連続完投)緩急を使って、三振より内野ゴロを打たせるピッチングを意識した。

続きを表示

2015年3月29日のニュース