部員16人…いわき海星が21世紀枠「がんばっぺ」

[ 2013年1月26日 06:00 ]

センバツ出場が決まり喜ぶいわき海星ナイン

 第85回選抜高校野球大会(3月22日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が25日、大阪市の毎日新聞大阪本社のオーバルホールで開かれた。85回の記念大会のため、例年より4校多い36校が出場、一昨年の東日本大震災で被災した東北地区から過去最多の5校が選出された。いわき海星(福島)は部員16人のハンデを乗り越え21世紀枠で、山形中央は今大会限定の東北絆枠での出場が決まった。また、関東、東京の6枠目には早実(東京)が入った。組み合わせ抽選会は3月15日に行われる。

 あの惨劇から、約1年10カ月。当時はこんな日がやって来るとは想像さえできなかった。午後3時2分。初出場を告げる吉報は本当に届いた。震災の爪痕が残るグラウンドで、沢尻京二校長から21世紀枠に選出されたことが告げられると、16人の部員は互いに抱き合い「よっしゃー!!」と雄叫びを上げた。

 「この学校で野球ができるか不安だったと思う。諦めないでやったからここまで来られたんだ。最高の舞台でまたがんばっぺ」。若林亨監督(46)は喜びをかみしめるように、静かにナインに語りかけた。

 現在の2年生は11年3月11日の震災直後に入学した。県内唯一の水産高校だが、グラウンドも部室も野球道具も、全て津波に流され何もない状態だった。坂本啓真主将(2年)は「正直、入学した時点で甲子園は考えられなかった」という。それどころか野球をやることさえできなかった。

 それでも一歩ずつ前進した。再始動は4月26日。海砂が30センチ積もったグラウンドで、埋もれた野球道具を捜すことから活動を再開した。全国から野球道具がたくさん届くなど多くの支援も受けた。その思いに応えるために、ガラス片が埋もれるグラウンドで必死に練習を重ねてきた。坂本主将は「練習で技術も上がったが、精神面での経験値は他の恵まれた学校より高い」と胸を張った。

 今大会は東北絆枠が設けられるなど、東北地区から過去最多の5校が選出された。また開会式の入場行進曲にはNHKの復興支援ソング「花は咲く」が選ばれるなど、前年に引き続き「復興」は大会の大きなテーマ。被災地を元気づけるために、いわき海星にはその中心的な役割が期待されている。

 若林監督は「“ありがとう”と伝えられるプレーができたら」と話し、坂本主将も「支援してくれた方々、被災した方々のためにも勇気と元気を与えられるプレーをしたい」と話した。甲子園では感謝の気持ちを体全体で表現する。

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