交代目前の幸運…中日・大島 大ブレークきっかけの一本

[ 2013年1月26日 12:20 ]

昨年4月8日のヤクルト戦、延長10回に21打席ぶりの安打となる右翼線二塁打を放つ中日・大島

野球人 中日・大島洋平(上)

 打率3割、30盗塁、ベストナインにゴールデングラブ賞。年初に掲げた目標を全てクリアし、一躍ニュースターとなった中日・大島にとって、最初のターニングポイントは昨年4月8日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)だった。

 プロ3年目を迎え、中堅の定位置をほぼ確保していたが、開幕から全く打撃の調子が上がらなかった。前日まで7試合を終えた時点で、打率・160の低空飛行だった。この日も4打席目まで凡退を重ね、20打席連続無安打。我慢して使い続けてきた高木監督がついに交代を決断し、一度は本人に告げた。だが、大島には運があった。

 「味方に走塁死があって、急きょ僕がそのまま行くことになった。それで回ってきたのが5打席目です。打席に入る前に高木監督から“踏み込んで思い切り引っ張れ”と言われた。開き直って、初球の真っすぐ一本に絞って振ったら、右翼線を抜けたんです」

 2点を勝ち越された後の延長10回2死一塁。増渕から放った右翼線二塁打は勝敗には無関係だったが、この後の大島とチームにとって非常に意味のある一打となった。ほとんど声をかけられたことがなかった指揮官の一言で本来の積極性を取り戻し、翌日から5試合連続で第1打席に安打。一気に打率を2割6分台まで引き上げ、以降は2割5分を下回ることはなかった。この一本がなければ昨季の大ブレークはなかったといっても過言ではない。

 開眼のきっかけとなったもう一つの試合は8月5日、神宮でのヤクルト戦だった。開幕当初の2番から1番に打順を上げていた。コンスタントに安打は出ていたが打率は2割8分台と目標の3割には届かなかった。だがこの試合、第1打席で右翼線二塁打を放つと何かのスイッチが入った。中前打、投前内野安打、中前打、中前打…。残りは全てセンター返しで5打数5安打。アマチュア時代も経験のない大当たりで打率を・296まで上昇させた。

 「それまでは最高でも3安打だったから、3本打てば“もう無理やろ”と思っていた。それが、あの試合で4本目がポンと出た。“ああ打てるんだ”と、何か吹っ切れたものがありました」

 9月には3度も1試合4安打をマーク。9、10月で110打数44安打、打率・400と打ちまくり、ともにリーグ3位となる打率・310、172安打でシーズンを終えた。4月8日には途中交代を告げられる寸前だった男が、全試合出場。チームに欠かせぬリードオフマンに成長していた。

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