父は元南海投手 6年目右腕の藤田が栄冠に導く

[ 2010年9月7日 22:40 ]

JR九州を3安打完封し、優勝を喜ぶ東芝・藤田

 【第81回都市対抗野球・東芝2-0JR九州】最後の打者を内野フライに打ち取ると両手を高く突き上げた。東芝は右腕藤田が都市対抗決勝で1999年以来11年ぶりとなる完封で、チームを7度目の栄冠に導いた。

 無四球の散発3安打。「すべての球のコントロールが良かった」と言う通り抜群の制球だった。140キロ台の直球にシュート、スライダーなどを駆使。気迫も前面に出し、二塁を踏ませない圧巻の投球だった。

 父はプロ野球の南海で投手として活躍した藤田学氏。サイドスローの息子は社会人6年目で初の都市対抗出場だった。昨年に準々決勝で敗れた後、印出監督に「どうして自分を使わないのか」と直訴。信頼される投球を求められ「言ったからにはやらないといけない」とエースに成長した。

 1回戦でも完封するなど3試合で24回を投げて2失点は、今大会の橋戸賞にふさわしい。指揮官も「柱として、気持ちが出たピッチングだった」と絶賛した。

 印出監督の就任1年目で優勝した2007年は補強選手が主軸を占め、08年はまさかの予選敗退。指揮官は練習から選手自らが考えて取り組むよう促した。「ようやく自分たちで動けるようになってきた」と手応えをつかんだチームは成熟度の高さで黒獅子旗を手にした。

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2010年9月7日のニュース