2ケタ勝利も…黒田惜しいっ!ノーヒッター逃す

[ 2010年9月1日 06:00 ]

フィリーズ戦の6回2死、ロリンズから三振を奪いベンチへ向かうドジャース・黒田。自己最多の10勝目を挙げた

 【ドジャース3―0フィリーズ】その瞬間、ドジャースタジアムのスタンドからは自然とスタンディングオベーションが沸き起こった。8回1死から許した初安打。だが、力投を称える声にもマウンドのドジャース・黒田は複雑な表情を浮かべた。

 「ファンの人に申し訳ない」
 球団では96年・野茂以来のノーヒットノーランはならなかったが、フィリーズ打線相手に7回2/3を1安打無失点。メジャー3年目にして初の2ケタ勝利となる10勝目には「1年間あきらめずに投げ続けてきて良かった」と満足げに振り返った。
 5回から意識したという記録は8回1死一塁、ビクトリノに真ん中に入ったツーシームを右前打されて途切れた。「当然悔しかったけど、心のどこかでできるわけがないというのもあった」。後続をきっちり抑えてマウンドを譲った。
 3年目の進化。今季は左打者対策として磨き上げてきた内角からストライクゾーンに滑らせる「フロントドア」と呼ばれるツーシーム、そして同じ内角からさらに内側に食い込むカットボールがうまくはまっている。正反対の軌道を描く球種の残像を利用して打者を幻惑。黒田も「攻めの幅が広がった。表裏で使えるのが大きい」と手応えを感じている。
 打っても7回にメジャーを代表する右腕ハラデーから中前打。56打席目での今季初安打に「みんなにいつ打つんだと言われていたので、プレッシャーから抜けられるのはいい」と喜んだ。一時はウエーバーでの移籍報道も流れた黒田。周囲の騒動を意に介さず、マウンドでその存在感をしっかりと示した。

 ≪ラミレスがWソックス移籍≫黒田と同じくウエーバーにかけられていたラミレスは、ホワイトソックスへの移籍が決定した。今季3度も故障者リストに入った強打者は66試合出場で打率こそ・311ながら8本塁打、40打点と低迷。とはいえホ軍ウィリアムズGMは勝負強さを買っており「プレーオフに出場し、今年を特別な年にするには彼の力が必要」と説明した。一方の黒田は「いなくなってしまったのは仕方がない。残ったメンバーで力を合わせて戦いたい」と話した。

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2010年9月1日のニュース