延長10回3ラン!アニキがM再点灯36

[ 2008年8月14日 06:00 ]

試合を締めたウィリアムスと満面の笑みを浮かべてハイタッチする金本

 【阪神4―2巨人】アニキのバットが窮地を救った。阪神の金本知憲外野手(40)が13日の巨人戦で延長10回、勝ち越しの19号3ランを放ち、チームの連敗を5で止めるとともに、優勝マジック36を再点灯させた。弟分の新井貴浩内野手(31)は北京で奮闘中だが、留守は任せろと言わんばかりの一撃に、虎党も最敬礼だ。

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 先の見えない暗闇に差し込んだ一筋の光に見えた。右翼席へ一直線に突き刺さる弾丸ライナー。これが4番、これが主砲、これが金本だ。
 延長10回、クルーンの乱調で無死一、二塁。この風穴を豪快にこじ開けた。2試合ぶりの19号。ベースを一周する間にも、珍しくほおが緩んだ。
 「久々に気持ちのいいホームランだった」
 クルーンを降ろした継投策から、この一戦にかける巨人側の執念が伝わった。代わった藤田との対決は初球から内角球。意外にも思えた2球連続の内角球を仕留めた。40歳の読みが上を行った。
 「裏をかいたんやろうな。若いキャッチャーは(内角を)使いたがるから。右方向へ強い打球を打って最低でも二、三塁か一、三塁にできればと思っていた」
 球宴明けは初戦を大勝して以降、打線も調子を落とし黒星が続いた。どうしても結びつけられる五輪組不在の影響。5連敗に沈んだ前夜は北京で初戦を翌日に控えた新井とメールで連絡を取り合った。「アイツが“大丈夫ですか”って聞いてくるからなあ…」。弟分に心配をかけてはアニキの面目にかかわる。値千金の一撃が重苦しい空気を消し去り、Vマジック「36」も再点灯させた。
 「厳しい、厳しい。でも毎年あること。2003年だって大型連敗があったんだから」
 今季と同様に春先から独走した5年前も夏場に失速。しかし、チームを再び軌道に乗せたのも金本の本塁打だった。「これをきっかけにまたどんどん勝っていきたい」。弾む声で誓う再出発。頂点へ向けたカウントダウンが再び始まった。

 ▼データ 13日の勝利で阪神に優勝マジック36が復活。マジック対象の巨人が残り43試合に全勝すると97勝45敗2分け(勝率・683)。阪神は巨人との残り8試合に全敗しても他カードで36勝すれば98勝45敗1分け(・685)となり、勝率で上回るため。

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2008年8月14日のニュース