甲子園の歴史に残った!坂口1イニング2発

[ 2008年8月14日 06:00 ]

<駒大岩見沢・智弁和歌山>8回表無死一、二塁、中越え3ランを放ち生還する坂口

 第90回全国高校野球選手権第11日は12日、甲子園球場で3回戦4試合が行われた。第3試合では智弁和歌山の坂口真規一塁手(3年)が8回に春夏通じて史上初となる1イニング2本塁打をマークするなど11得点を奪い、駒大岩見沢に逆転勝ち。2年ぶりの8強進出を決めた。第2試合では常葉学園菊川も6点ビハインドをはね返して倉敷商に逆転勝利。聖光学園、報徳学園とともに準々決勝に駒を進めた。14日は3回戦4試合が行われる。

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 【智弁和歌山15―3駒大岩見沢】満員の4万6000人で埋まったスタンドのざわめきはしばらく収まらなかった。4番・坂口が甲子園で史上初となる1イニング2本塁打を記録した。
 「僕もビックリです。たまたまバットに当たって飛んでいった。頭の中は真っ白でした」
 歴史的な2発は8回に飛び出した。まずは1点を追う無死一、二塁。それまで3打席無安打に抑えられていた左腕・板木の甘い直球を弾丸ライナーでバックスクリーン左へ突き刺す逆転3ラン。「ストライクが来たので素直にバットを出した」という一発で打線が活気づいた。再び回ってきた打席で、今度は沼舘の変化球を左翼席へ高校通算27号となるソロ。大量11点の猛攻を締めた。この回は勝谷も3ラン。チーム1イニング3発も史上初だった。
 痛めている右足首は万全に遠い。地方大会前に骨折が判明。それでも全試合出場にこだわった。この日もテーピングを施し、痛み止めを飲んでの出場。「打てそうな感じが体からわいてきた。痛みどうこうの問題じゃない。体が震えた」。劣勢ムードを一気に変えた4番を高嶋監督も「これまでの選手の中でも3本の指に入るんじゃないか」と称えた。
 指揮官の甲子園通算勝利数は56に伸びた。あと3勝して優勝すればPL学園・中村元監督を抜き歴代1位に躍り出る。「1勝でも多く高嶋先生にプレゼントしたい」。坂口の目はしっかりと頂点をとらえている。

 ◆坂口 真規(さかぐち・まさき)1990年(平2)9月29日、和歌山県生まれの17歳。打田中ではヤングリーグの「打田タイガース」に所属し、3年春夏と全国大会準優勝。高校では1年夏からベンチ入りし、2年夏も甲子園出場。高校通算27本塁打。家族は両親と妹。1メートル86、90キロ。右投げ右打ち

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