2年連続ミラクル3ラン!常葉の伊藤だ!

[ 2008年8月14日 06:00 ]

<常葉学園菊川・倉敷商>8回裏無死、常葉・伊藤の打球を三塁手が悪送球する

 【常葉学園菊川11―9倉敷商】あの感触がよみがえった。左翼席に吸い込まれる白球を目で追いながら伊藤は足早にダイヤモンドを駆け抜けた。6点を追う5回。4安打で4点を返し、なおも2死一、三塁の好機。ここで昨夏の3回戦・日南学園戦で8回に代打同点3ランを放った伊藤に打席が回ってきた。

 「ここまで2三振。つなぐことを考えました」
 コンパクトに振り抜いた打球は、昨夏とほぼ同じ場所に飛び込む逆転3ランになった。6回に同点とされたが、8回には町田の中越え2ランなどで4点。最大6点差をひっくり返して2年連続8強入りを決めた。
 初戦の福知山成美戦で3安打と元気がなかった打線が、この日は13安打11点と復調。3回の攻撃前に、浜松商の外野手として出場した84年夏の智弁学園戦で、7点差を逆転して勝った経験をナインに伝えた佐野監督も「よく打ってくれた」とニンマリだ。
 左ひじの違和感で登板を回避したエース戸狩の状態は心配だが、豪打を取り戻した打線で一気に頂点へ駆け上がる。

 <岡山・倉敷商6点リードも…星野さんスイマセン>最大6点のリードを守れずに逆転負け。OBで北京五輪日本代表を率いる星野監督に、8強の吉報を届けることはかなわなかった。初回に5点、3回にも1点を加え主導権を握ったが、5回に失策をきっかけにエース木元がつかまった。3ランを含む7安打を浴びて7点を失い、逆転を許した。8回にも4点を失った左腕は「相手の雰囲気にのみ込まれて、制球が甘くなった。情けない」と唇をかんだ。「自分たちは負けたけど、星野さんには金メダルを獲ってほしい」と金谷主将。夜には宿舎で大型テレビを前にチーム全員で大先輩に声援を送った。

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2008年8月14日のニュース