イチロー“らしからぬ”がむしゃらプレー

[ 2008年5月28日 06:00 ]

<マリナーズ・レッドソックス>五回表1死一塁、バリデックの頭上を超える飛球をジャンピングキャッチ、そのまま壁に激突して返球するイチロー

 【マリナーズ3―5レッドソックス】マリナーズのイチロー外野手(34)が26日(日本時間27日)のレッドソックス戦で超美技を見せた。5回に中堅後方への大飛球を背走、フェンスに激突しながらもスーパーキャッチ。25日のヤンキース戦で右中間への飛球を捕れなかったことを米メディアに“指摘”されたことに発奮する気迫のプレーだった。しかし、チームは7連敗。27日の相手先発は今季8勝無敗の松坂大輔投手(27)。勝利のカギはイチローが握っている。

 イチローは難しいことを簡単にこなす。数手先まで考えてプレーする。だが、5回1死一塁で飛び出したスーパープレーはそんな“身上”とは正反対だった。バリテックの中堅後方への大飛球に背を向けて走ったまま、フェンスに向かってジャンプ。頭の後ろから飛んで来たボールを“ザ・キャッチ”だ。両足をフェンスにかけたが勢いは止まらず、頭から激突した。
 「ケガのリスクは関係なくという感じですね。僕らしくないですけど。力を抜かなきゃとは思うもののできなかった感じかな。時間的にも余裕がなかった」
 まさにギリギリのプレーだ。意識がはっきりしない中で、倒れ込みながら目線が隠れてしまった帽子のひさしの位置を修正。素早い送球で内野に返球して、一塁走者の二塁タッチアップを許さなかったのは本能だ。その後はしばらく立ち上がれなかったが「ダッグアウトに戻るわけには絶対にいかないと思った。後から首と腰にちょっときてるのは感じたんですけど。もう瞬間的なことは全然分からないです」
 美学を上回る意地がワンプレーに込められていた。前日、ヤンキースタジアムでの中飛で一塁から松井のタッチアップを許した。さらに右中間への決勝打は単打に備えて前進守備を敷いていたため、追い付けるはずもなかったが、一部の米メディアからは「なぜ捕れなかったか」と詰問された。
 「結構イラッときていた。ストレスが一番の原動力かな」。イチローコールがわき起こる中、6回に右前打を放って同点の生還。9回2死一、三塁では中前適時打するなど孤軍奮闘も、チームは7連敗となった。27日は松坂と今季初対戦を迎える。気持ちをリセットして、昨季12打数1安打と抑えられた相手をイチローが全力で倒しにかかる。

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