広島・斉藤1イニング51球6失点も…新井監督“愛の続投”「打たれても勉強」「じっくり成長を」

[ 2024年2月25日 05:45 ]

オープン戦   広島1-10巨人 ( 2024年2月24日    沖縄 )

<オープン戦 広・巨>3回から2番手で当番した広島・斉藤(撮影・平嶋 理子)
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 広島は24日、巨人とのオープン戦(沖縄)に1―10で大敗した。3回から2番手で登板した高卒2年目の斉藤優汰投手(19)が、打者11人の猛攻を浴びて6失点。3回の1イニングを投げきるのに51球を要するなど精彩を欠いたが、新井貴浩監督(47)は続く4回も“愛の続投”でマウンドに送り出した。右腕は指揮官の期待に応え、2イニング目を無失点に抑えた上で、今後の成長へ向けて決意を新たにした。

 開幕先発ローテーション入りを目指す斉藤にとっては、試練のマウンドとなった。0―2の3回から登板。先頭・門脇の左前打を皮切りに計6安打を集められ、2四球も絡んで打者一巡の猛攻を許した。6失点。8348人の観衆に加え、鳴り物での応援など、これまでとは違う球場の雰囲気にものまれ、つまずいた。

 「最初は緊張からリリースが合っていない感じがあった。直球のリリースが合わず、制球を乱した。2イニング目は、意識的にテンポを良くしようと投げてそれなりに良かったので、初回(3回)からできれば良かった」

 当初は3イニングに登板予定も、最初の回で51球を要してしまった。精彩を欠く内容で、ここで交代となってもおかしくはない状況だったが、ベンチは続投の判断を下した。これは新井監督の“親心”だった。指揮官は続投させた意図を説明した。

 「抑えても、打たれても彼の場合は勉強。(交代の選択肢は)なかった。球数がちょっとかさんだけど、あのままマウンドを降りても、本人も納得いかないと思うし…もう1イニングいって代わろうと(判断した)」

 結果以上に、1軍のマウンドを経験させることで得られるであろう学びを重視した。この“愛の続投”に斉藤も応えた。続く4回は先頭の岸田を三飛に抑え、続く吉川を見逃し三振。佐々木には三塁内野安打を許したが、泉口を遊ゴロに仕留めて修正力を発揮した。

 「最初の回はかなり打たれたので、次の回はいい意味で開き直って投げた。あれだけ球数を投げてしまって、その上で続投させてもらい、すごくありがたかった。今後は自分のリズムだけを考えて(練習を)やっていく」

 2回7安打6失点のこの日はアピールすることはできなかった。だが、今後の糧となる「経験」を、手にすることができた。新井監督は「まだ彼は高卒2年目。じっくり成長していってもらいたい」と長い目で見る方針。その愛情を斉藤もしっかり受けとめ、前を向き、そして進化を期す。 (長谷川 凡記)

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