阪神・村上 初回失点も「新兵器」改良ツーシーム手応え「しっかりインコースに投げられた」

[ 2024年2月25日 05:15 ]

オープン戦   阪神0-1ヤクルト ( 2024年2月24日    浦添 )

<オープン戦 ヤ・神>3回1失点にまとめた阪神・村上(撮影・岸 良祐)
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 阪神・村上頌樹投手(25)が24日、ヤクルトとのオープン戦(浦添)に先発し、改良版ツーシームに手応えをつかんだ。昨季の落ちる軌道から、シュートに近い軌道に変えた“新兵器”で右打者の内角を果敢に突く投球を展開。昨季、1軍全先発試合で初回無失点だった右腕が、この日はその初回に1点を失ったものの、2回以降は立ち直って3回1失点にまとめた。岡田彰布監督(66)からも全幅の信頼を得る右腕が、目標に掲げる開幕投手へまた一歩近づいた。 

 1年前、とにかくアピールすることに必死だった村上は、もういない。ヤクルトとのオープン戦に先発した右腕は、昨季MVPの風格を漂わせた。伸び、キレともに抜群の直球とカットボールを軸にしつつ、新兵器の“改良版ツーシーム”を試投して3回3安打1失点。テーマに沿った投球を展開し、結果に内容を伴わせた。

 「今日はいろいろ試すということだったので、そこまで失点は気にしていなかった。1点取られても、まあいいやという気持ち」

 初回、西川、青木に連打を許し一、三塁。サンタナの三ゴロ併殺の間にあっさり1点を献上した。1軍対外試合の先発登板では21年8月28日広島戦以来の初回失点。だが、乱れない。昨季、最優秀防御率タイトルを手にした右腕らしく、2回以降は無安打無失点と涼しい顔で投げ終えた。

 「ツーシームもしっかり(右打者の)インコースに投げられたので、良かった」

 その最たる例が3回2死無走者、サンタナの打席だ。1ストライクから2球目に内角をえぐると、3球目も立て続けに内角へ。2球続けてボールになったが、カウント2―2になった5球目も三たび内角を突き、今度はファウルを取った。その全てがツーシーム。しかも改良版だった。

 改良点は、従来の落ちる軌道から、今季はシュートに近い軌道に変えたこと。昨季は全投球の11%を占めたツーシーム。右打者にカットボールを意識させて外角へ踏み込んできたところに、その改良版で内角を突けば打者泣かせの球種になる。2年連続の躍動への鍵を握る“新兵器”だ。

 「(今後は)100球とか投げていったら疲れも出てきて終盤はしんどくなる。そこでどういうピッチングができるか。コースをしっかり投げきれるように、意識してやっていきたい」

 順調な調整ぶりを結果で示し、明確なテーマを持って開幕へと前進を続ける村上。「ブルペンでも去年と遜色ないボールを投げとるから、ある程度はな。抑えられると思う」と岡田監督からの信頼も揺るぎない。5イニングに投球回数を伸ばす次回登板は、3月5日からの甲子園5連戦が濃厚。その道程の先に「3・29」を見据える。 (石崎 祥平)

 ○…村上(神)の1軍対外試合での初回失点は、21年8月28日広島戦で2失点して以来。昨季初先発の4月12日巨人戦から、レギュラーシーズン21試合、CS1試合、日本シリーズ2試合を経て、前回登板の今春2月18日、広島との練習試合まで25試合連続で初回無失点だった。

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