西武・中村“おかわり流”トップスピン打法 あと29本…通算500本塁打へ振る回転

[ 2024年1月26日 05:30 ]

バットを見つめる中村(撮影・白鳥 佳樹)
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 西武の中村剛也内野手(40)が25日、埼玉県所沢市の球団施設で自主トレを公開し、残り29本に迫る通算500本塁打の達成に向けて今季目標を30本塁打とした。動作解析など機器の発展で年々、球速がアップしている剛腕対策として「トップスピン打法」に挑戦していることも告白。バックスピンよりも飛距離が減るが、現役最多の471本塁打を量産する男は常識を覆す打法でプロ23年目に挑む。

 ボールの上を叩いて、バットを下に潜らせるイメージ。ゴロが多くなるリスクがあるが、角度が付けばドライブ回転でも飛距離が出る。中村剛が今オフの取り組みを明かした。

 「ボールの下を叩こうと思いすぎると、ピッチャーが球も速くなってきているので(球威に負ける)。ボールをしっかり捉えるというか、トップスピン」

 野球界の通説で飛距離が出るとされるのはボールの中心から下を叩くバックスピン。その真逆の発想だ。狙いはロッテ・佐々木、オリックス・山下ら剛速球を投じる投手の球威に負けないこと。近年、動作解析などで投球フォームの再現性が高まり、投手の球速はアップの一途。実際、昨年の先発投手で平均球速1位だった佐々木とは通算5打数無安打、3三振、同2位の山下は6打数1安打、2三振に抑えられている。

 日本ハム時代の大谷(現ドジャース)に4発を浴びせた中村剛も「みんな何年か前に比べて速くない?155キロ(が普通)?」と感じることが多くなった。過度にボールの下を狙い過ぎることによる振り遅れで平凡なフライとなるよりも強い打球を優先するが、一発を捨てたわけではない。特例での名球会入りも検討されている通算500本塁打にあと29本。「30本は打ちたい」と今季目標を掲げる長距離砲は「(ボールの上を叩きつつ)うまいことボールの下に(バットが)入ると、(角度がついて打球が)上がる感覚」とトップスピンでもフェンスオーバーは可能とみる。

 17本塁打だった昨季は4月までに7本塁打して月間MVPを受賞。今年も高知・春野のB班キャンプからマイペースで調整し、開幕に合わせる。山川はソフトバンクにFA移籍したが「外国人(野手)が2人来る。打席に多く立てるように頑張る」と誓う。希代のホームランアーチストが、新打法でチームを5年ぶりの頂点に導く。(神田 佑)

 ≪オフだけど「早起きになった」≫中村剛はこのオフのグラウンド外の過ごし方について「タイミングが合ったので家族で旅行に行きました」と愛妻や3人の息子と時間を共有。昨年12月には次男で小学6年生の航大が「NPB12球団ジュニアトーナメント」に西武Jrの一塁手として出場し観戦に訪れていた。「早起きになった。子供たちが学校に行くので」と見送りなどのため午前7時には起床していることも明かした。

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