日本ハム・ドラ3山口アタル“ブン振り”痛烈デビュー!来日初打席で初スイング&初安打

[ 2023年2月6日 06:00 ]

紅白戦   紅組6-4白組 ( 2023年2月5日    名護 )

6回、安打を放つ山口(撮影・高橋 茂夫)
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 鮮烈デビューを飾った。カナダ出身の日本ハム育成ドラフト3位・山口アタル外野手(23=テキサス大タイラー校中退)は5日、今キャンプ2度目の紅白戦に右翼守備から途中出場。6回にプロ初打席、初スイングで、プロ初安打となる痛烈な左前打を放った。右翼の守備でもフェンスに激突しながらの好捕を見せるなど、支配下登録に向けて新庄剛志監督(51)に攻守で猛アピールした。

 「超隠し玉」がベールを脱いだ。ユニホームの上からでも分かる筋骨隆々な肉体。「フィジカルモンスター」の異名を持つ山口が、プロ初打席でその片りんを見せつけた。

 「めっちゃうれしかった。“ブン振り”でいきたいと思って、打席に立ってキターっと思ってブンって振ったら、ちょっと上叩きすぎたって感じ」

 紅組で5回に右翼守備で途中出場。6回2死一塁で迎えた初打席だった。1ボールからの2球目、松岡の140キロ内角直球を「ブン振り」し、強烈なゴロが三遊間を破った。ファーストスイングでの快音に「2軍で紅白戦に出られるイメージトレーニングをしていた」と胸を張った。

 「懸垂は1回もできなかった」というほど非力だった体を変えるため、高3時から本格的に筋力トレーニングに注力。当時7秒台だった50メートル走も今では5秒9。垂直跳び69センチはチームトップクラスで、ベンチプレスは147キロを上げる怪力に変身した。大学時代は投手として最速153キロもマーク。体の強さを生かすため昨年6月に投手から野手に転向したばかりで、直近5年はほぼ打撃練習をしていなかったとは思えないスイングを見せた。

 守備でも9回1死一塁で、右翼後方に上がった飛球に背走し、フェンスに激突しながら好捕した。新庄監督は「もっと(実戦に)慣れてほしい」としつつも、「強いゴロを打てる打者は使っていきたい。続けていったら結果が出てくる。すぐ(支配下の背番号)2桁になるんじゃない」と背番号127の可能性の塊を高く評価した。

 カナダ・バンクーバーから12球団に電子メールで入団テストを申し込み、育成契約をつかんだ異例の経歴を持つルーキー。自主トレで日本語習得へ続けた小学生向け漢字ドリルは、キャンプにも持ち込んだ。支配下登録に向けて「アタル」の名のごとく、鋭い当たりをブンブン打ち続ける。(田中 健人)

 ◇山口 アタル(やまぐち・あたる)1999年5月28日生まれ、カナダ・バンクーバー出身の23歳。8歳で野球を始め、12年リトルリーグ世界選手権でカナダ代表入り。日本からは清宮(日本ハム)のいる東京北砂リトルが出場していた。ブリタニア高、コルビー短大を経てテキサス大タイラー校に編入。中退の形で昨秋ドラフトで育成3位指名され日本ハム入り。1メートル79、89キロ。右投げ右打ち。

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2023年2月6日のニュース