阪神・大山、確率UPで本塁打量産「飛ばせることに越したことはないが、まず確率」得点増へ飛距離は二の次

[ 2023年2月6日 05:15 ]

ロングティーで汗を流す大山 (撮影・後藤 大輝) 
Photo By スポニチ

 飛距離は二の次だ。阪神・大山が、本塁打1本を打つのに費やす打席を極力減らし、打撃の確実性を向上させる意気込みを示した。

 「150メートル飛ばそうが、100メートル飛ばそうが、ホームランはホームラン。いかに100メートルを飛ばす確率を増やすか、というところが、すごく大事になる」

 アーチストの権威を示す際「本塁打率」と呼ばれる、打数を本塁打数で割った数値が用いられることが多い。昨季の大山は439打数で23本塁打。19・09打数に1本の割合でスタンドに叩き込んだ。自己最多の28本塁打を記録した20年は、1本あたり15・11打数だった。ポール際ギリギリでも、スタンド最上段でも、1本は1本。ならば確率を上げ、より少ない打席でアーチを重ねれば、チームの得点増にも直結する。

 「遠くに飛ばせることに越したことはないが、まず確率というところを求めてやる」

 昨季、史上最年少で3冠王に輝き、日本人最多のシーズン56本塁打を放ったヤクルト・村上は8・70打数に1本と超ハイペースだった。大山と比較しても2倍以上の数値を誇る。今季、同じ4番を任される立場として簡単に引き下がるわけにはいかない。「一番チームに貢献できる役割は勝利打点。確率を高めたい」。それが豪快な一発なら、チームのムードも一気に高まる。

 連日、大山の柵越え連発が宜野座を沸かせている。それでも「10球打ったら10球、100球打ったら100球(いい打球を)目指していかないと、試合では打てない。改善する余地はある」。底知れぬ向上心。球団の日本選手の右打者では85年の岡田彰布、真弓明信以来、シーズン30発の大台は出ていない。ポッカリ空いた37年のブランクすら軽々と超えていきそうな貫禄が、今の大山にはある。(八木 勇磨)

 ▽本塁打率 本塁打を1本打つのに何打数を必要としたかを示す指標で「打数÷本塁打」で求められる。プロ野球のシーズン最高は、13年バレンティン(ヤ)の7・32(439打数で60本塁打)。

続きを表示

2023年2月6日のニュース