矢野燿大氏、阪神・井上は線で打つ意識必要 亀山つとむ氏、森下は想像以上マートンに似ている

[ 2023年2月6日 07:45 ]

打撃練習する阪神・井上(撮影・北條 貴史)
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 阪神の今季レギュラー争いでは、最激戦区とされる右翼の座。本紙評論家の矢野燿大氏(54)が井上を、亀山つとむ氏(53)が森下を、それぞれ徹底分析した。

 【チェック矢野燿大】井上は実戦での内容と結果が求められる。練習を見る限り打撃は良くなっている。それが実戦でどう表れるか。打撃投手が投じる内角球を打ち損じる場面があった。実戦では1軍級の速球を確実に捉えられるかが、目先の課題だ。

 打撃フォームでは上半身と下半身が同時に回転している。そのため捻転が生まれず、一般的によく言われる“壁”がない状態だ。右打者の場合は左側の壁。上半身と下半身にねじれが生まれれば、もっと鋭くバットを振れるし、軽く遠くに飛ばすこともできる。点ではなく、線で打つことの意識が必要だ。

 チームにとって長打力のある右の外野手は貴重な存在。右翼のレギュラー選手が、どの打順に入るかはわからないが、仮に6番あたりに森下や井上などパンチ力のある右打者が入ってくれることが理想だろう。

 とにかく井上は実戦が勝負となる。高卒4年目。オープン戦終盤へ向けてエース級の投手をどう打つか。どんどん見てみたい、使いたいと首脳陣に思わせることが大切となる。実戦でどんな姿を見せてくれるのか、早くも楽しみだ。(スポニチ本紙評論家)

 【チェック亀山つとむ】森下は想像以上だった。ルーキーとは思えない打球の強さとパワーがある。素材としては大山の1年目の時より上なのではと思う。体幹の強さを感じたし、体のコアなところで打っている印象だ。

 長年、キャンプを見てきたが、現段階での打球はマートンと似ている。左中間の打球がスライスするのが特徴的で、詰まるのを恐れず振っているから左翼方向への打球がファウルにならないし、逆に右方向への打球は、つかまえるように打っているからドライブがかかってこちらもファウルにならない。中堅から右方向への打球も強く、広角に打ち分けられる能力もある。センター方向への打球が失速しないのも特徴。パーンとはじくのではなく、ボールをしっかりつかまえているからだ。

 この打撃内容を見れば視察した岡田監督もレギュラーで使いたいはず。しっかり計画を立てて開幕からラインアップに加えるのではないか。シーズンに入っての体力など壁はあるだろうが、シーズン通して出れば打率・250、20本塁打は十分に可能。将来的に鈴木誠也のような打者を目指せる素材と感じる。(スポニチ本紙評論家)

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2023年2月6日のニュース