朗希が世界試し斬り!侍白星デビュー 滑るWBC級に「手探り」適応4回零封59球

[ 2022年11月11日 05:05 ]

侍ジャパンシリーズ2022   日本代表9―0豪州代表 ( 2022年11月10日    札幌D )

<豪・侍>力投する先発の佐々木朗(撮影・高橋 茂夫)
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 侍ジャパンは10日、「侍ジャパンシリーズ2022」のオーストラリア代表との強化試合最終戦に臨み、トップチーム初選出のロッテ・佐々木朗希投手(21)が先発して好投。9月26日以来の実戦マウンドで最速159キロをマークするなど4回59球を投げて4安打無失点に抑え、勝利投手になった。来年3月に予定されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて上々の白星デビューとなった。

 決して圧倒したわけではなくても、背番号11でマウンドに上がった佐々木朗には収穫が多かった。今季最終登板となった9月26日のソフトバンク戦以来45日ぶりの実戦登板。「いつもと違う緊張感だった。最初は手探りの中で始まった」と振り返るが、4回4安打無失点にまとめた。

 WBC1次ラウンドの球数制限が65球と見込まれる中での59球。160キロ超えは一球もなかったものの、1日のシート打撃登板では最速151キロ。「試合の途中で直球は修正できたし、フォークも最後は良くなった」と、この日は159キロを計測した。課題となったのは、滑りやすいと言われるWBC球への対応だ。

 「ボールにそれほど大きな違いは感じなかったが、力を入れたときに高めにいった。札幌ドームも初めてだったので、マウンドが原因かもしれないし、ボールかもしれない」

 原因が分からないからこそ、試合の中での感覚を重視した。初回は17球のうち直球が11球だったが、2回以降はフォークを増やした。「初回はフォークが抜けてしまうことが多かったので、何かをつかみたかった」と、3回は13球中7球、4回は15球中7球がフォークだった。

 吉井投手コーチも「直球も変化球も5割ぐらいの仕上がりだと思うが、本人も“最後に感じがつかめました”と言っていた」と打ち明ける。4回1死一塁では、5番ジョージからフォークで空振り三振を奪った。この日はわずか2奪三振だが、ストンと落ちるこの軌道を描くことができれば、大リーガーからも三振を量産できるはずだ。

 国際大会では、イニング間にベンチ前でキャッチボールができない。この日はベンチ裏のブルペンでキャッチボールを行うなど工夫もした。「本戦になっていけば、プレッシャーや責任感は増していく。選ばれるかどうか分からないが、自分ができる最大限の準備をしていきたい」。日の丸を背負って、侍ジャパンの雰囲気を味わったことも大きい。

 侍ジャパントップチームで初登板初勝利。3日に21歳になったばかりの怪物は、世界の頂を見据えている。

 《フォーク割合上昇》佐々木朗は今季のレギュラーシーズンで1804球を投げ、球種割合は直球が56.1%で、フォークは33.5%だった。この日はフォークを59球中24球を投じ、割合は40.7%まで上昇。特に3回と4回は多投し、2イニング合計では直球と同じ14球で50%を占めた。

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