松坂大輔氏　侍・朗希の「試しながらの投球」に感じた余裕　来春の本番楽しみ

侍ジャパンシリーズ2022   日本代表9―0豪州代表 （ 2022年11月10日    札幌D ）

＜豪・侍＞初回を終えて中村（左）と話す佐々木朗（撮影・篠原　岳夫）
Photo By スポニチ

　【松坂大輔　視点】侍ジャパンのロッテ・佐々木朗投手は直球は早い段階で修正しましたが、フォークの感覚のズレは降板するまであったように思います。NPB球より滑るWBC球。自分も代表の時、スライダーが抜けるのが嫌でした。今後は慣れることはもちろん、ボールに対応した投げ方を覚えてほしいと思います。

　この日はしっかり落とすフォークの軌道が普段と違いました。低めへと無理やり落としにいっているような感じで、それでも浮いてしまい、うまく操れていない印象でした。難しいのは、WBC球は一個一個のボールによって大きさや感触が違うということ。例えばファウルなどで新しいボールに変わると、微妙に指先の感覚も変わってしまう。「いい感じで投げていたのに…」と困惑することが実戦ではある。そのアジャストも必要です。

　そんな中でも4回無死一塁で5番ジョージから奪った三振は、フォークが低めにしっかり落ちていました。いろいろと試しながら投げている姿が印象的で、そこにまだ余裕を感じました。実際に投球して、大体の感じはつかめたのかなと思いました。来年の春が楽しみですね。（スポニチ本紙評論家）