侍・大海が1回ピシャリ 慣れ親しんだ札幌D「ラスト」登板で力投

[ 2022年11月11日 05:05 ]

侍ジャパンシリーズ2022   日本代表9―0豪州代表 ( 2022年11月10日    札幌D )

<豪・侍>7回に3番手で登板した伊藤(撮影・高橋茂夫)
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 侍ジャパンの伊藤大海投手(25)が7回の1イニングを打者3人、わずか11球で抑えた。舞台は日本ハムでプロ入りからの2年間、主戦場としてきた札幌ドーム。新球場・エスコンフィールド北海道に本拠を移す前のラスト登板で好リリーフを見せた。

 慣れ親しんだ球場に“最後”の雄叫びを響かせた。7回2死走者なし。ボジャルスキを2球で追い込むと、最後はこん身の低め直球で空振り三振を奪った。地元ファンからの温かい拍手を浴びながらマウンドを降りた。

 「今日はボールのことを気にせず、自分の良さをもう一度、見直して気持ちで投げ切れた。他の投手に比べて凄いボール、変化球はないが気持ちで勝負できるので」

 6点リードの7回から3番手で登板。先頭のホールを直球で右飛に仕留め、続くキャンベルもフルカウントから直球で二ゴロに打ち取った。打者3人、全て勝負球は気持ちを込めた直球だった。

 前回の反省を生かした。6日の巨人戦では、9イニング終了後に設けられた無死二塁からのタイブレークを想定した練習に登板して2失点。縫い目が高く、滑りやすいとされるMLB公式球にフォーム改良などで対処しようとしてきたが、この日は「気にしないのが一番。いつも通り足を上げて、体重移動をして投げるだけ」と心に決めた。シンプルな思考が好投につながった。

 試合前、チームメートの石川亮がオリックスへトレード移籍することが発表された。今季は入団から2年連続の10勝を挙げ、通算20勝のうち10勝を石川亮とのバッテリーで挙げた。試合前に伊藤は自身のツイッターで「言葉がありません…。目の前の事に集中します」とツイート。突然の別れとなった女房役へ、惜別の好投となった。

 オーストラリア代表は調整段階とはいえ、来年3月に待つWBCの“前哨戦”でアピールに成功。昨夏の東京五輪でもリリーフとして侍ジャパンの金メダル獲得に貢献した右腕は「どんな形であれトップチームで戦いたいという気持ちは人一倍ある。自分のやるべきことにオフシーズンで取り組んで、少しでも成長した姿で貢献できるように頑張っていきたい」と語った。日の丸を背負う責任を胸に、一日一日を過ごす。

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2022年11月11日のニュース