森繁和氏が侍・朗希に注目 来春までにWBC球に合わせた握り確立できるか

[ 2022年11月11日 05:05 ]

侍ジャパンシリーズ2022   日本代表9―0豪州代表 ( 2022年11月10日    札幌D )

<豪・侍>4回無失点の佐々木朗(撮影・篠原岳夫)
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 【森繁和 視点】結果的に4回無失点に抑えた侍ジャパンのロッテ・佐々木朗だが、真っすぐはシュート回転し、フォークは抜ける。滑るといわれるWBC球を操れていなかった。特にフォークは低めに投げると少しスライド回転してバットに当てられてしまうし、高めにすっぽ抜けた球は簡単に外野まで運ばれていた。

 佐々木朗はセットポジションに入る時にフォークの握りから入るが、中指と人さし指を縫い目にかけずに握っている。フォークを投げる時にはおそらくその握りのまま投げている。NPB球ならば少し湿り気があって、その握りでもフォークがうまく抜けるかもしれないがWBC球は滑って“すっぽ抜け”になってしまう。フォークを制球するには中指か人さし指のどちらかを縫い目にかけるか、両方の指をかけるか。WBC球に合わせたフォークの握りが必要ではないかと思う。

 直球の握りにも特徴がある。他の投手が指一本分空けるところを佐々木朗は中指と人さし指の間隔が極端に狭い。その握りが指にかかった時はとてつもないスピンを生み出すのだが、WBC球では指にかからず滑ってシュート回転してしまう。

 4回に入って佐々木朗はフォークを意識的に多く投げ対応策を模索していた。吉井投手コーチ(ロッテ監督)と春までにWBC球仕様の投球を確立できるか、注目している。(スポニチ本紙評論家)

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2022年11月11日のニュース