ヤクルト・山田が号泣 不振、コロナ…苦しんだ主将2年目も優勝で報われた

[ 2022年9月26日 05:00 ]

セ・リーグ   ヤクルト1-0DeNA ( 2022年9月25日    神宮 )

<ヤ・D>泣きじゃくる山田を抱きしめる村上(撮影・篠原 岳夫)
Photo By スポニチ

 2年目の主将は泣いた。人目をはばかることなく、ヤクルト・山田が子供のように泣いた。胴上げを控えたナインが歩み寄ってくる。「ありがとう」と抱き合う。握手する。どれほどの心労を重ねたか、誰もが知っていたからだ。

 「今こういう戦いになっている原因は自分。助けてほしい。力を合わせて頑張っていこう」。8月11日、そう呼びかけていた。広島に敗れ今季2度目の6連敗となった後だった。選手だけで開催したミーティングで、山田は静かに頭を下げた。

 開幕から打率は2割台中盤をいったりきたりしていた。7月に新型コロナに感染。療養期間の影響は大きく、復帰後に体の切れを取り戻すのは容易ではなかった。3度のトリプルスリーに輝いた男の本来の姿はなく、首位を快走していたチームも苦戦を強いられた。

 8月上旬の7連敗もあり、最大28あった貯金は16まで減った。自身は不振の原因を突き詰め、頭から爪先まで丁寧に映像をチェックした。今季は高打率を残すことをテーマにしてミートポイントを近づけていた。それが原因かもと気付いたのが8月の下旬だった。

 「今年は逃げ切りという形を経験できた。キャプテンとしてうれしく思っている」。2月1日のキャンプ初日。目標の2年連続日本一を「今年の高い山であり壁」と表現し、全員で乗り越える目標を掲げた。短期決戦に入る。涙した主将が、背中で、結果で、高い山を登り切る。

続きを表示

2022年9月26日のニュース