巨人と0・5差 阪神・矢野監督の決意「高校野球のトーナメントのつもりで」 歴史的大混戦27日に開戦

[ 2022年9月26日 05:15 ]

<阪神全体練習>佐藤輝(8番)と話す矢野監督(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は試合がなかった25日、クライマックスシリーズ(CS)進出を争う3位・巨人がデーゲームで最下位・中日に敗れたことで、0・5ゲーム差に接近した。これで巨人の自力によるCS進出の可能性が消滅し、4位で並ぶ広島を入れた3チームがほぼ横一線に並んだ。歴史的大混戦の3位争いを勝ち抜くべく、25日、甲子園球場で練習を行った矢野燿大監督(53)は「高校野球のトーナメントのつもりで」と決意を語った。

 泣いても笑っても残り3試合しかない。相手は全てヤクルトで、27、28日は敵地・神宮で戦う。逆転CSへ3戦全勝あるのみ。矢野監督は、就任ラストイヤーの運命を懸けた戦いへ、決意を込めた。

 「(相手が)ヤクルトとか、あと何試合あるとか関係なく、高校野球のトーナメントのつもりで、一戦一戦、戦うしかできないと思う。そういった気持ちで戦っていけば、自分たちでつかみ取れるものがあるんじゃないかと信じている」

 快晴の甲子園での練習が本格的に始まる前には佐藤輝と数分間、話し込んだ。打撃中もケージの後ろで、そのスイングを見守った。打者優位の神宮球場だけに、のどから手が出るほど長打がほしいところ。しかし、戦いの軸となるのは何度も言い続けてきた「俺たちの野球」だ。

 盗塁数はリーグトップの106、犠打数はトップの中日に2差で続く114。出て、つないで、走って、控えも含めて積極的に仕掛けるスモール・ベースボールで勝負する。

 「ウチは誰かが突出したチームじゃないから。まず拓夢(中野)が出てつないで。この前(23日)の広島戦のようにね。その中で足を絡めたり、ピッチャーが粘っていくチームなんで。束にならないとね。ベンチで声を出してくれるし、その意識は高く持ってくれていると思う」

 総力戦を宣言して球場を後にした。その思いが届いたのか、練習終了後に始まったデーゲームで3位・巨人が中日に敗れ、自力でのCS進出が消滅。これにより、広島に敗れた21日時点で一度は土俵際に追い込まれた猛虎に、光が差し込んだ。

 0・5差の巨人、同率4位の広島とほぼ横一戦に並んだ。今後直接対決がない3チームが残り試合にそろって全勝すれば、69勝71敗3分、勝率・493で並ぶという歴史的大混戦だ。仮に三つどもえが同着の場合は当該球団間の通算対戦合算になるため、広島に突破を許す。とはいえ、どこかが一つ負けた時点で優位不利が逆転するという、息詰まる最終局面。阪神にも十分にチャンスが出てきた。

 昨季はシーズン最終戦まで、ヤクルトと熾烈(しれつ)な優勝争いを繰り広げた。重圧がかかる戦いは経験済み。勝率5厘差でV逸した悔しさは、ここで生きる。倉世古 洋平)

 ▽セ・リーグ順位決定方法 <1>勝率<2>勝利数<3>当該球団間の対戦勝率<4>リーグ内対戦成績の勝率<5>前年順位、の順で比較して順位を決める。25日時点で巨人は141試合67勝71敗3分け、勝率.486の3位、広島と阪神は140試合66勝71敗3分け、勝率.482の同率4位。上記3球団は同じ引き分け3のため、最終勝率および勝利数が同じになる可能性がある。3チームが並んだ場合は、前記<3>を当該球団間の対戦成績の合算と規定。すでに3チームは対戦を終えており、合算では広島(勝率.542=26勝22敗2分け、阪神(勝率.489=23勝24敗3分け)、巨人(勝率.469=23勝26敗1分け)の順になる。

【この日の阪神・矢野監督語録】
 ▼高寺の将来性 まだまだミスも出るし、うまいわけじゃない。ずっと言っているように、そういうミスから成長していく選手だと思う。まだ一番下の段階なのよ。アイツの成長を早めるために、(今春は)見て学ぶ環境がある1軍キャンプに呼んで。(そこから)体力的にも、守備も全然だったけど、今年の春に比べればだいぶ成長した。こういう選手はグッと伸びる可能性がある。まだまだグッといくところの手前かなと思うけど。
 ▼青柳に先陣託す 絶対に気持ちが入る登板になる。今までも、結果が出なかったときも、気持ちが入っていないという投球をしているピッチャーじゃないので。そこはもうヤギ(青柳)に任せるしかない。任せて良いような、結果や姿勢を見せてくれている。
 ▼佐藤輝への期待 もちろん(本塁打を)打ってほしい。期待はしているけど、まだ成長過程なんでね。

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