松坂大輔氏 あと9イニングでダブル規定到達の大谷は「唯一無二の存在」、200K到達を称賛

[ 2022年9月25日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4ー2ツインズ ( 2022年9月23日    ミネアポリス )

<ツインズ・エンゼルス>4回、ウォルナーから三振を奪い雄叫びを上げる大谷 (撮影・白鳥 佳樹)
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 エンゼルス・大谷が日本投手で4人目となるシーズン200奪三振に到達した。スポニチ本紙評論家でレッドソックス時代の07年に201奪三振をマークした松坂大輔氏(42)が当時を振り返りつつ、大谷の二刀流でのシーズン200奪三振を称えた。

 200奪三振を達成した今季の大谷投手を見ていると、また一段階グレードアップした印象です。特にシーズン序盤は横に大きく滑るスライダーが効果的で、登板ごとにアジャストしながら投げている姿が印象的でした。100マイル(約161キロ)の直球にスライダー、スプリット。ここにタイミングを外すカーブと、全ての球種がカウント球にも決め球にもなる。打者はケアしなければいけない球種が増え、さらに攻略が難しい投手になっていると思います。

 大リーグは球数が100~110球と制限されることがあるので、先発投手は奪三振の数よりも、いかに長いイニングを投げられるかが評価されます。奪三振率9・00なら1イニングに1個。200イニングを投げれば200奪三振となる計算です。野茂さん、ダルビッシュ投手とも、イニング数と三振数を同時に稼いでいる。本当に凄いことだと思います。大谷投手もそうですし、二刀流を考慮するとさらに価値が上がるでしょう。

 自分はレッドソックス1年目の07年に201奪三振を記録しました。シーズン最終登板だった9月28日ツインズ戦。8回8奪三振で到達しましたが、同時に投球回数が204回2/3となり、200奪三振よりも200イニング到達の方がうれしかった。162試合の長く厳しいシーズン。1年間ローテーションに入って戦い抜いた証の数字ですから。奪三振はイニング数を重ねれば自然と増えていく。そんなイメージでしたね。

 大谷投手は200イニングには届きませんが、規定投球回まで残り9。打者としても既に規定打席に達しています。主力野手として試合に出ながら投手としてエース格の役割も果たす。ダブル規定到達は彼が唯一無二の存在であることを改めて証明していると思います。これからも彼は誰も成し遂げたことのない記録を出していくでしょう。

 最近はツーシームを増やしています。自分も少しでも長いイニングを投げられるようにと、大リーグでツーシームを覚えました。早いカウントで打ち取れば奪三振は減るかもしれませんが長いイニングを投げられる確率は上がる。200イニングへ、これも大谷投手の新たな進化だと思います。(スポニチ本紙評論家)

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