ソフトB・板東でM6 プロ初完封「負けられない試合だったので勝ててほっとしています」

[ 2022年9月25日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク6―0ロッテ ( 2022年9月24日    ペイペイD )

<ソ・ロ>完封勝利した板東(右端)はナインとタッチを交わす(撮影・岡田 丈靖)
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 首位・ソフトバンクの板東湧梧投手(26)が24日、ロッテ戦でプロ初完封勝利を挙げた。5安打1四球で三塁を踏ませず、佳境に入った優勝争いで疲労が蓄積する救援陣に貴重な休養を与える3勝目。打線は初回に三森大貴内野手(23)が先頭打者本塁打。4回には中村晃外野手(32)の3ランで突き放した。2位・オリックスとのゲーム差は0のままだが優勝マジックは一つ減って「6」。2強のデッドヒートは続く。

 板東は苦笑いを浮かべていた。6―0の9回2死一、二塁。井上の大飛球を右翼・谷川原がフェンス手前で捕球。男前右腕は「あぶねー」とつぶやき、表情が一気に和らいだ。

 「ホームランだと思ったけどファンの皆さんのおかげで止まってくれた。いろんな意味で負けられない試合だったので勝ててほっとしています」

 プロ通算7度目の先発でプロ初完封、初完投勝利。自己最多120球でロッテ打線を9回5安打に封じ込めた。「一番大きかった」という初回1死一、二塁で安田を併殺に斬ってから7回1死まで、打者17人を連続アウトにした。最速149キロの直球と110キロ前後のカーブを武器に「5回くらいで代わるくらいの調子だった。逆に開き直って、目の前の打者(で勝負)というイメージでいった結果」と中継ぎの経験も生きた。

 脳裏にあったのは10日と17日のオリックス戦で2週連続投げ合い、敗れた相手エースの山本。特に17日はプロ初完投で8回2失点にまとめながら、山本にはその上をいく4安打完封を見せつけられた。「完成度が高い。(球質が)前半から後半まで変わらないし、制球力もぶれない部分を吸収して成長したい」。悔しさを胸に映像を何度も見返した。そして、今季チーム初の2試合連続完投。今度は最後にマウンドで勝利を握った。

 この日は野手最後のダイエー戦士、今季で引退する明石もベンチにいた。「今まで頑張ってきた(明石)健志さんの(出場最後の)試合を負け試合にするわけにはいかない」。花道を飾りたい一心で腕を振った。藤本監督は「独りで投げてくれたのは大きいし、これから先も長いイニングを計算できる。疲労がピーク近くの中継ぎ陣を休ませてくれてありがたい」と絶賛の嵐だ。

 優勝マジックを「6」として残り7試合。V争いが過熱した8月19日の日本ハム戦から先発陣に加わり「今まではやりたくてもやれなかった。この経験を味わえていることを感じながら成長したい」と板東。その存在感は増すばかりだ。(福井 亮太)

 《最短V30日》パは上位2球団がともに勝ったため、ソフトバンクのマジックは1つだけ減って6となり、最短Vは1日延びて30日となった。また、ソフトバンクは25日のロッテ戦に敗れると2位転落もマジック6が残るが、26日のロッテ戦も敗れ連敗となると、マジックが消滅し、オリックスにマジック3が出る。

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