ヤクルト村上宗隆が貫いた姿勢 コロナ禍に見舞われた7月…指揮官からもらった大切な言葉

[ 2022年9月25日 22:04 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―0DeNA ( 2022年9月25日    神宮 )

<ヤ・D>胴上げされる高津監督を思い切り持ち上げる村上(撮影・篠原岳夫)
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 ヤクルトは25日、DeNAを1―0のサヨナラで下し、2年連続9度目の優勝を決めた。ヤクルトの連覇は野村克也監督時代の1992、93年以来、29年ぶり2度目となった。その立役者はシーズン日本人歴代最多タイの55本塁打を放った村上宗隆内野手(22)。最年少3冠王へと向かう主砲がチームを優勝へと導いた。

 村上宗隆は、優勝が決まるとチームメイトたちと熱い抱擁(ほうよう)を交わし、終始笑顔で手を叩きながら優勝を喜んだ。涙を浮かべるキャプテン・山田の姿を見つけると、頭をくしゃくしゃに撫でて、抱き合いながら互いに言葉を交わしていた。

 セ・リーグMVPとなった昨季からさらに進化した。圧倒的だったのは8月26日から敵地で臨んだ、2位・DeNA3連戦だった。最大17・5ゲーム差から4ゲーム差まで迫られたが、第1戦で均衡を破る3ランに、5―3の7回は流れを決定づけるソロ。本拠地17連勝中だった相手の勢いを止める3連勝を飾り、その3試合で4本塁打、9打点を挙げてみせた。

 順風満帆ではなかった。チームを新型コロナウイルス集団感染が襲った7月。7勝13敗と失速しかけた。高津監督には電話で「僕は打てなくてもいい。チームが勝てないのがしんどいです」と吐露。指揮官には「泣き言を言うんじゃない、そんな姿を見せるな。それも仕事の一つ」と叱咤(しった)され、再び上を向いた。王貞治(巨人)と並ぶ日本選手最多タイの55号から足踏みが続いても、下を向かず戦い抜いた。

 高津監督はそんな村上に優勝監督インタビューで「最近はちょっと後ろ姿が小さくなってますけど、7月の大変な時も孤軍奮闘で頑張ってくれた。バット一本でチームを引っ張ってくれた。宗、よく頑張ったよ。おめでとう」と労った。

 史上初の5打席連続本塁打、通算150号とシーズン50号を史上最年少で達成するなど、次々と記録を打ち立てた今季。ファンからは“村神様”とまで称される存在になった。令和初の3冠王も視野に入っている。

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