タイガースの新編成本部長は、20代でMBA取得と、カブス世界一を同時にやり遂げた頑張り屋

[ 2022年9月20日 11:22 ]

 デトロイト・タイガースが19日(日本時間20日)、ジャイアンツのスコット・ハリスGM(34)を編成本部長に任命した。タイガースは15年途中からベテランのアル・アビラGM(64)が率い、昨オフはFA市場に2億3千万ドルの資金を投入、ア・リーグ中地区の優勝争いに加わるはずだった。しかしながら最下位に沈みアビラGMは8月に解雇。「MLBで進歩的でないチームの一つ」と揶揄されてきた老舗球団は、若手のハリス氏に命運を託す。

 デトロイト・フリープレス紙がハリス氏の経歴について報じている。UCLA卒業後、08年~09年が球団のインターン。そのあとニューヨークでコミッショナーオフィスで働きながら、トップレベルのコロンビアビジネススクールに入学、勉強を続けた。12年、25歳でカブスの野球運営部門の部長に抜てきされると、シカゴのケロッグ経営大学院に転校し、勉強を継続。15年、MBA(経営学修士)を取得した。カブスは16年に世界一になり、仕事も多忙を極めていたはずだが、両立している。

 母親が取材で「午前1時に(育成の施設のある)フェニックスで飛行機に乗って、シカゴに午前5時に就くと、空港のベンチで眠って、それから授業に出ていた」と明かしている。当時の上司セオ・エプスタイン氏は「頭が良いし、勤勉に働く。そして彼は自分がどこのビジネススクールで学位を取ったとか、コミッショナーオフィスにいたからルールは精通しているとか、偉ぶったりもしない。誰とでも仲良くなり、チームプレーヤーでグループを良くしてくれる。それが重要」と高く評価していた。18年アシスタントGMに昇進。選手のスカウティング、契約、トレード交渉、育成、アナリティック(データ分析)と全てこなした。20年、ファーハン・ザイディ編成本部長の片腕としてジャイアンツのGMに就任。21年ジャイアンツは107勝をあげ、MLBで次の大物編成本部長候補と目されるようになっていた。

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2022年9月20日のニュース